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					41.e
腸管出血性大腸菌0-157 は僅か数十個の菌量でも発症する。止痢薬は菌の排出を遅らせる
ので使用せず、補液を十分に行い脱水を予防する。早期に有効な抗菌薬を使用した例では
溶血性尿毒症症候群への移行率が低く、小児ではホスホマイシン、成人ではニューキノロ
ンの投与がすすめられる。


42.b
スピロヘータは細長いらせん状の細菌で、暗視野顕微鏡下に活発な運動をみせる。スピロ
ヘータが原因となる疾患は梅毒、レプトスピラ症(ワイル病)、ライム病、回帰熱である。
バルトネラ症はリケッチア目バルトネラ属に分類される、グラム陰性菌である。


43.d
スピロヘータによる感染症で、ねずみの尿などで汚染された水や食品から経皮的あるいは
経口的に伝染する。診断は血液、髄液、尿からレプトスピラを検出することにより行う。
アミノグリコシド系、テトラサイクリン系、ペニシリン系に感受性をもつ。


44.a
セラチアは腸内細菌科に属する GNR であり、カルバペネム系、アミノ配糖体系を投与する。
マイコプラズマ肺炎は Mycoplasma pneumoniae による間質性肺炎であり、マクロライド
系、テトラサイクリン系を投与する。レジオネラ肺炎は GNR の Legionella pneumophila
などが原因で、日和見感染を生じやすい。マクロライド系、リファンピシンなどを投与す
る。肺カンジダ症は Candida albicans などが原因で、アンホテリシン B、ミコナゾール、
フルコナゾールなどを投与する。伝染性単核球症は EBV が原因で、一般に予後良好であり
対症療法を行うが、ペニシリン系は皮疹を誘発させることがあるので禁忌とされる。


45.d
 狂犬病はイヌ、オオカミ、コウモリなどの肉食動物にみられるウイルス感染症で、咬傷
部位から唾液を介して感染する。潜伏期は 10~100 日で、主として神経系が侵される(恐水
症、狂犬病性脳脊髄炎)。ライム病は野生動物との間に主としてマダニによって媒介される。
夏期に多く、咬傷部位から遠心性に広がる小紅斑(慢性遊走性紅斑)が特徴的である。テトラ
サイクリン系が有効。
 発疹チフスは衣シラミを介して、麻疹やムンプスは飛沫感染によりヒトからヒトへ感染
するのが主な伝染経路である。


46.b
 日本紅斑熱(紅斑熱群リケッチア)やライム病はマダニが、発疹チフスはシラミが媒介する。
ダニが媒介する感染症として他にツツガムシ病・Q熱がある。
 トキソプラズマ症は主にネコが感染源で吸血昆虫の介在はない。人獣共通感染症であり、
免疫不全における日和見感染症として重要である。伝染性単核球症は EBV の接触(唾液)感
染により発症する。


47.a
 伝染性単核球症は EBV 感染の一部に発症する。経口的に体内へ侵入した EBV は咽頭粘
膜で増殖し、所属リンパ節に達して B 細胞に選択的に感染する。この際 T 細胞がこの感染
細胞を排除するため反応し、リンパ芽球様細胞(異型リンパ球)となって末梢血へ出現する。
肝機能障害を約 80%に認める。
 検査として3種類の抗体を測定する。急性期:抗VCA-IgM抗体一過性上昇    慢性期:
回復期に抗 EBNA 抗体上昇、終生存続。抗VCA-IgG 抗体はIgMに遅れて上昇、終生存
続。EBNA は EBV の核内抗原であり、これに対する抗体の産生には B 細胞が処理され核
の破壊がおきることが必要。よって EBNA に対する抗体価の上昇には感染後数週~2ヵ月
を要し、急性期には陰性である。
 治療は対症療法が主体となるが、感染 B 細胞が異常に抗体を産生している本症において
特にペニシリンはアレルギー反応を高率に惹起するため禁忌である。通常は自然寛解する
疾患であり予後は良好であるが、まれに脾破裂があると予後不良となる。




48.c
 「感染症新法」では感染力と重症度を基準に第1類から第4類に分類されている。
1 類:エボラ出血熱、クリミア・コンゴ熱、ペスト、マールブルグ熱、ラッサ熱
2 類:コレラ、細菌性赤痢、腸チフス、パラチフス、急性灰白髄炎、ジフテリア
3 類:腸管出血性大腸菌感染症
4 類:アメーバ赤痢、後天性免疫不全症候群 etc.
 アメーバ赤痢・HIV 感染症は感染力が弱く、第4類に分類される。エボラ出血熱は1類、
ジフテリア・コレラは第2類に分類され、全例保健所への届出が義務づけられている。
 1類感染症としてはエボラ出血熱に加えマールブルグ病、ラッサ熱、クリミア・コンゴ
熱、ペストがある。前4者はウイルス性出血熱としてまとめられ、感染者の体液に直接接
触することでヒトからヒトへ伝播する。ペストはエルシニア感染症の1つで、ペスト菌に
感染しているネズミの血を吸ったノミがヒトを刺すことでヒトへ感染するが、感染者から
経気道的に排菌されるようになると飛沫感染により猛烈な勢いで伝染が広がる。




49.e
戸外での活動歴(農業で新しく土地を開墾した)、発熱・頭痛にて発症、体幹部の紅斑、
10mm 内外刺し口形成(大腿部直径5mm の発赤)
                         、刺し口付近の局所リンパ節腫脹(鼠径
リンパ節腫脹)が、ツツガムシ病を強く裏付ける根拠である。
WBC は急性期に減尐し、のちリンパ球増多による WBC 増多(13,800)を認める。髄膜
刺激症状(項部硬直)、稽留熱(持続する発熱)、血小板減尐(45,000)は重症時の所見で
あり、脱水(舌乾燥)は発熱によるものと考えられる。咽頭痛(非浸出性咽頭炎)は 10%、
肝脾腫は 50%の例で認められる。
ツツガムシ病の発疹は、第 3~5 病日より主に体幹・顔面に出現し、四肢に尐し、まれに
出血性となる。本症例では血小板減尐により点状出血を来たしていると思われる。(参考:
ツツガムシ病と同じリケッチア感染症である日本紅斑熱の発疹は、発熱と共に体幹よりも
四肢、手掌に多発し、速やかに出血性となる。)
古典的ツツガムシ病は、河川流域、夏に発生、新型ツツガムシ病は畑・草原で感染し、季
節差が尐ない。本症例は新型ツツガムシ病の可能性が高い。
(1)△   診断には、末梢血からの病原リケッチア分離(マウスまたは培養細胞で分離)も必
要だが、結果判明まで日数を要するため臨床例の早期診断には直結しない。免疫ペルオキ
シダーゼ反応、免疫蛍光法のいずれかによる血清診断がよい。Weil-Felix 反応は早期ほとん
ど陰性で誤診のもととなる恐れがある。(2)×      病原体はツツガムシ。スピロヘータ感染症
は、梅毒、Weil 病、ライム病、鼠咬症 etc. (3)× ダニが媒介。鳥類から感染するのは、
オウム病、クリプトコッカス(ハト)、ヒストプラズマ、トキソプラズマ、ライム病 etc.。
(4)○ DIC は、基礎疾患の存在(悪性腫瘍、白血病、敗血症、産科的疾患、劇症肝炎、脱
水症 etc.)、臨床症状(出血傾向、循環不全、呼吸不全、意識障害)、血清 FDP 値増加、血
小板減尐などをもとに診断する。敗血症は進行すれば敗血症性ショックを起こし、このよ
うな重症な状態では DIC に至り、その他多臓器不全、呼吸不全、成人呼吸促迫症候群など
を来たす。ツツガムシ病では治療が遅れると DIC を合併し主な死因となる。本症例では、
脈拍 90 整・呼吸数 20・血圧 120/80 とショック状態は呈さず、赤沈 5mm と DIC の重要な
                                、出血傾向を認め、また先程
所見である赤沈遅延(≦2mm)もないが、血小板減尐(45,000)
述べたようなツツガムシ病重症時の臨床所見があるので DIC を疑う。(5)○ ヒトに侵入し
たリケッチアは、リンパ行性、血行性に撒布され、小血管内皮細胞内増殖による血管病変
(血栓形成、血管炎、血管周囲炎、血漿成分漏出による発疹)がみられる。


50.c
             、クロラムフェニコール(←発疹チフスと同じ。
テトラサイクリン(第一選択)                     )
*ペニシリン、セフェム系は一切無効。


51.c
 コアグラーゼ産生型のグラム陽性球菌つまり黄色ブドウ球菌で、 3 世代セフェム系
                              第         (β
ラクタム系)使用により誘導された耐性を示すことから、本症例は MRSA である。(1)MRSA
                                   。また、本
が喀痰から検出されたのみでは起因菌とはいえない(鼻腔・手指にも常在する)
症例では明らかな炎症所見を欠き(WBC6,800、CRP<0.3)、このように起因菌とみなされ
ない場合はバンコマイシン投与は不要である。(2)○     MRSA は医療従事者の手指を介して
他の患者に感染させることが多い。(3)○    宿主側(患者)の抵抗力をつけるため、頻回の
体位亣換、喀痰吸引が望ましい。(4)× ブドウ球菌の毒素は菌体外毒素が主体でエンドト
キシンは産生しない。(5)×   もともと脳血管障害後遺症のため長期臥床中である。また、
褥蒼予防のため頻回の体位亣換は必要である。
(参考:MRSA の複合菌感染は気道の場合 40%に見られるが、その際の相手菌で最も多い
のは緑膿菌である。緑膿菌は誤嚥性肺炎の起炎菌として一番多く、第 3 世代セフェムが有
効で、本症例において肺炎が改善したことより、緑膿菌に感染していたことが疑われる。
 腎機能障害(BUN32↑、Cre1.6↑)は、高齢者に対する抗生剤多用で起こりやすくなる
           )
ことによると考えられる。


52.a
 発熱を主訴とする患者の血液に異型リンパ球を認めた場合は、感染症と悪性血液疾患を
考える。
 異型リンパ球をきたす感染症は、伝染性単核球症、サイトメガロウィルス感染症、ツツ
ガムシ病がある。これらはみな発熱、リンパ節腫脹、異型リンパ球を主症状とし、鑑別困
難だが、健常若年者であれば伝染性単核球症、免疫不全主はサイトメガロウィルス感染症、
病歴上ダニとの接触が疑われたらツツガムシ病を疑いつつ鑑別を進める。
a.○ 伝染性単核球症といえば、異型リンパ球↑(EB ウィルスが B リンパ球に感染するこ
とによって起こる本疾患では、感染した B リンパ球が T リンパに認識され、Killer T cell
が出現する。この Killer T cell が末梢血中で異型リンパ球として認められる。)
臨床症状として1発熱 2咽頭扁桃炎、肝脾腫 3全身リンパ節腫脹(特に頚部)
他に、発疹(皮膚・口蓋の紅斑)              、GOT↑、GPT↑など。
               、WBC↑(初期は一過性に↓)
以上より本症例では臨床像のみからでは伝染性単核球症が最も疑われる。確定診断のため
          (47も参照。
には抗体価を測定する。      )b.× 異型リンパ球は出現しない。肝脾腫は見られ
ない。c.× ライム病 初期:頭痛、発熱、遊走性紅斑。播種期:神経症状(多彩;脊髄神
経根炎-Bannwarth 症候群)末梢神経症状を伴わない髄膜炎、顔面神経麻痺が頻発する脳
神経障害、循環器症状、関節炎。慢性期:慢性脳脊髄膜炎。d.× 49、50参照。e.× 小
児(6 ヶ月前後)の急性細気管支炎。


53.c
(1)× 臨床症状、家族歴、随時血糖から診断可能なことが多く、OGTT は臨床症状はある
のに血糖値は正常、臨床症状はないが血糖値が高いという場合に行う。
 糖尿病診断基準(日本糖尿病学会)
① ・ 早 朝 空 腹 時 血 糖 値 ≧126mg/dl   ・ 75gOGTT2 時 間 値 ≧200mg/dl ・ 随 時 血 糖 値
≧200mg/dl   以上3つのいずれかに該当する場合「糖尿病型」と判定する。別の日に検査
して「糖尿病型」が確認できれば糖尿病と診断する。
②・糖尿病の特徴的症状(口渇・多飲・多尿・体重減尐)があり更に「糖尿病型」である。
・HbA1c≧ 6.5% ・現在糖尿病でかつ過去に高血糖を示した資料がある ・過去に糖尿病
として診療された病歴などの資料がある場合および糖尿病網膜症が見出された場合
(2)○   発症後一時的にインスリン分泌能が改善することがあり、寛解期 (honeymoon
period)では中止できるが、それ以外は絶食時でも中止できない。(3)○ (4)×                   インスリン
製剤は皮下からの吸収遅延を目的としており皮下注射で行う。静脈内投与する意義はない。
(5)× 正常妊婦は高蛋白、減塩、低脂肪を心がけ、妊娠前半には成人女子(非妊婦)標準
栄養所要量に 150kcal/日、後半には 350kcal/日を付加する。糖尿病妊婦もこれに準ずる。
但し、120%以上の肥満妊婦には 1200~1400kcal のカロリー制限を行うことが望ましい。


54.a
(1)糖尿病性腎症の光顕所見         ①結節性病変(Kimmelstiel-Wilson 病変):頻度は低いが特
異性が高い。②びまん性病変(病初期に出現):頻度は高いが特異性が低い。③滲出性病変
(fibrin cap (PAS+),capsular drop:ある程度進行してから出現し、特異性は低い。(2)○
腎症前期、早期腎症では GFR が正常~ (輸入細動脈拡張・輸出細動脈収縮により)時に高値
を示し、以後低下していく。(3)○ 糸球体輸出動脈抵抗↑により GFR を維持するアンジオ
テンシンⅡの生合成を抑制し、選択的に輸出細動脈の拡張をもたらすので結果 GFR は低下
し、微量蛋白尿が減尐・消失する。このように腎機能低下の発現を遅らせ、降圧効果もあ
るため高血圧合併糖尿病患者に有用である。 (4)× 透析導入後の予後は慢性糸球体腎炎よ
り不良。(3年生存率 58%、5 年生存率 40%)高度蛋白尿、ネフローゼ症候群を呈する例、
若年発症の例も予後不良。(5)×          低蛋白食が基本。早期腎症の段階で開始し、腎不全では
0.4~0.6g/kg、米国ではすべての糖尿病患者に 0.8g/kg を推奨している。


55.c
(1)○ (2)× インスリン製剤の副作用は低血糖、局所脂肪組織萎縮など。(3)× ビグアナ
イド系の副作用は乳酸アシドーシス、低血糖、腹痛、悪心、下痢など。(4)○                         糖質吸収阻
害により腹部膨満、放屁増加を来たす。(5)○                一部の製剤で劇症肝炎が発症し問題となっ
た。


56.a
a.○ b.c.e.× ケトアシドーシスで見られる。非ケトン性高浸透圧性昏睡は高齢者に多く、
アニオンギャップは正常~軽度上昇。d.× 大量に投与する。(ケトアシドーシスでも)
57.d
a.肉類は避ける。甘いもの、お酒(特にプリン体の多いビール)、レバー、内臓、大豆、し
いたけ、蛋白質の摂取は控える。ビタミン C は尿への尿酸排泄を促すので多く摂るように
する。尿酸結石予防のために水分も多く摂る。 b.通風の治療薬には、尿酸排泄促進剤(プ
               、尿酸合成抑制剤(アロプリノール)がある。なお、こ
ロベネシド、スルフィンピラゾン)
れらは痛風発作時には発作の長期化、再発のおそれがあるため投与しない。 c.痛風発作時
には、非ステロイド性抗炎症剤(コルヒチン、インドメタシン)を使う。ステロイド剤を
使うのは‘偽痛風’発作時である。 d.痛風の合併症といえば慢性間質性腎炎。尿酸結晶が
尿細管に取り込まれ、尿細管上皮細胞と基底膜を破壊し、腎間質に沈着する。 e.通風は男
性、30 代に多い。男:女=15~20:1


58.b
(1)○。但し、Ⅱa、Ⅳを示すものもある。 (2)1% (3)手掌黄色腫は家族性Ⅲ型高脂血症に
               。腱黄色腫は家族性高コレステロール血症に特異的(他
特異的(他に結節状黄色腫もある)
に結節状黄色腫、眼瞼黄色腫もある)。発疹性黄色腫は家族性リポ蛋白リパーゼ欠損症で認
める。家族性複合型高脂血症でも黄色腫は出現するがそれほど目立たず、腱黄色腫は出現
しない。(4)LDL 受容体異常は家族性高コレステロール血症(Ⅱa )。家族性複合型高脂血
症の原因は不明で、肝でのアポ蛋白 B の産生亢進、代謝障害が関与して VLDL が肝から過
剰に分泌されるのではないかと考えられている。(5)○。コレステロールが過剰になる高脂
血症(Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ)で、変性 LDL を取り込んだマクロファージが泡沫細胞となり、動
脈硬化の引き金となって虚血性心疾患を来たす。


59.d
 a)α-ガラクトシダーゼ欠損により生ずる Fabry 病は学童期発症の四肢疼痛発作、自律神
経障害による発汗低下、角膜混濁、皮膚の被角血管腫を臨床症状とし次第に腎不全、脳血
管障害、心不全が進行し死亡するとされるが、このような症状を欠き中年期以降に心筋症
を発症する例があり、原因不明の左室肥大の鑑別診断として重要。b)ADA 欠損症は未成熟
T 細胞・B 細胞の増殖・分化障害により重症複合免疫不全症となる。遺伝子治療が実用化さ
れている。c)α-1アンチトリプシン欠損症はプロテアーゼ(蛋白分解酵素)優位となるプロ
テアーゼ・アンチプロテアーゼ不均衡を生じ、肺気腫を来たしやすい。d)Marfan 症候群
の原因となるのがフィブリリン遺伝子異常で、高身長、くも状指、水晶体脱臼、僧帽弁逸
脱症、大動脈瘤・大動脈解離などを呈する。ホモシスチン尿症との鑑別が重要。e)HGPRT
欠損症は尿酸の過剰産生により Lesch-Nyhan 症候群をおこす。臨床症状として高尿酸症、
自傷行為、精神発達遅滞、アテトーゼ、筋硬直が挙げられる。
60.d
 (1)60 代以上は女性の方が高い。(2)男性は HDL-コレステロール 40mg/dl 以下で増加あり。
(5)動脈硬化危険因子をもつ患者は血清コレステロールが 220mg/dl 以上で薬物療法の適応
である。


61.c
 糖尿病性壊疽は、DM による動脈硬化で四肢末端の血行不良が生じ、さらに細菌類のエサ
となる血糖値が高いことからくる易感染性が原因となる。治療は感受性を示す抗生剤の投
与で、消炎剤は通常使用しない。足背動脈は通常触知可能である。グルカゴンの点滴静注
など行わない。副亣感神経緊張は本症状に関係ない。
 疫学上、糖尿病患者のうち壊疽病変をきたすハイリスク患者として糖尿病性腎障害によ
る慢性腎不全例および透析施行例が挙げられる。これらの患者は頻回の透析に備えAVシ
ャントを形成しているケースが多い。


62.c
 アミロイドーシスは蛋白代謝異常症の1つで、線維構造を有する糖蛋白(アミロイド)が各
臓器・組織へ沈着することで種々の症状を来たす。
 (1)心臓に沈着し、難治性心不全・伝導障害をおこす。(2)神経系に沈着しポリニューロパ
チー・手根管症候群など末梢神経障害をおこす。中枢神経に影響をおよぼすことはまれで
ある。(3)(4)消化管に沈着し消化管出血・吸収不全・腸蠕動低下(偽性腸閉塞)をおこし、軽
度の肝外障害はみられるが、肝不全にまでは通常いたらない。(5)腎臓に沈着し、続発性ネ
フローゼ症候群をおこす。


63.d
 (1)Lesch-Nyhan 症候群は HGPRT の完全欠損による産生過剰型(サルベージされないヒ
ポキサンチンからどんどんと尿酸が産生)の高尿酸血症である。(2)ヘモジデローシスはヘモ
ジデリンの異常蓄積が原因で、蓄積される臓器により異なった症状があらわれる。皮膚の
色素沈着、肝硬変、膵臓に蓄積されることによる続発性糖尿病が3大症状である。(3)62
参照。(4)急性間欠性ポルフィリン症はヘム合成系の異常が原因となり、ポルフィリンの体
内異常蓄積・大量排泄によって症状をきたす。運動神経系の下位ニューロンを中心に侵し、
脱力感から進行すると四肢麻痺・球麻痺がみられる。(5)黒色尿がみられるのはアルカプト
ン尿症。アルカリ性に親和性の高いホモゲンチジン酸が大量に尿中へ排泄され、アルカプ
トン尿症の患者の尿を放置するかまたはアルカリを添加すると黒色に変化する。


64.e
 (1)インスリン抵抗性存在下にβ細胞の障害があると、代償性インスリン分泌がおこらな
いために低インスリン血症となる。(2) 糖尿病性神経障害は末梢性・左右対称性・感覚神経
優位の多発性単神経炎である。(3)糖尿病性網膜症・腎症は細小血管障害が原因であり、因
果関係についての詳細は不明であるが高血糖が悪影響を及ぼしていると考えられている。
厳密な血糖コントロールが必要である。(4)健常者が食事を摂ると血中インスリンは 30~60
分後で最高値に達し 3~4 時間で前値に戻るのに対して、速効型インスリンを皮下注射する
と血中インスリンは 90 分かかって最高値に達し、前値に戻るのは 4~5 時間必要である。
従って速効型インスリン使用では食後 4 時間に低血糖が発症する危険性が存在し、この問
題点を解決するために開発されたのがヒトインスリンアナログ製剤の超速効型インスリン
である。従来のヒトインスリン製剤に比しより生理的なインスリン動態を維持できると考
えられる。(5)適度の運動は主に骨格筋におけるインスリン感受性を亢進させ、また血糖上
昇ホルモン(アドレナリン、グルカゴン)の分泌亢進によって脂肪の分解を促すため、特に
NIDDM の患者には有効な治療法である。しかし空腹時血糖>300mg/dl、ケトーシスや網
膜症・腎症・神経障害の合併例には禁忌となる。


65.b
1)は壊疽を予防する意味で重要である。5)の下痢は糖尿病性胃腸症の症状の一つである可
能性が高い。2)血糖の急速な正常化は糖尿病性網膜症を悪化させることがあるので注意を
必要とする。3)4)糖尿病性腎症を合併しているので、蛋白制限などの治療が必要である。


66.ac
飲酒により痛風発作が誘発されたものと考えられる。痛風の慢性期の合併症として、尿酸
結晶が腎臓に析出した痛風腎がある。痛風患者の多くは、尿酸の前駆物質であるプリン塩
基を多く含む魚肉類、レバー、酒の肴、ビールなどを好むため、肥満体型となっている。


67.ad
痛風発作の治療は、予感の時期にコルヒチンを服用すると予防効果がある。発作が始まっ
た後ではインドメタシン等の非ステロイド性抗炎症剤やステロイド薬を用いる。
尿酸産生抑制薬(アロプリノール等)や尿酸排泄促進薬(プロベネシド、ベンズブロマロ
ン等)は血清尿酸値の急激な低化により痛風発作を誘発するおそれがあるので、疼痛時に
は投与しない。


68.c
高身長で痩身、視力障害、若年発症の高血圧を伴わない大動脈解離から Marfan 症候群を疑
う。本症候群の原因はエラスチン関連微小線維の糖蛋白 fibrillin の FBN-1遺伝子の変異あ
るいは遺伝子異常によるとされる。常染色体優性遺伝とされるが散発例もある。臨床症状
としては高身長、脊柱後彎・側彎、鳩胸・漏斗胸、蜘蛛状指、水晶体脱臼、僧帽弁逸脱、
大動脈弁閉鎖不全、大動脈瘤・大動脈解離がある。超音波心エコーにより、80%の症例に
僧帽弁逸脱があるとの報告がある。約 4 分の 1 の症例が僧帽弁逸脱による重症の僧帽弁逆
流に進展する。本症候群はホモシスチン尿症との鑑別が必要で、尿シアンニトロプルシド
反応が陰性であればホモシスチン尿症は否定できる。


69.c
総コレステロールと中性脂肪の上昇(T-Cho/TG =1.1>1.0)から、WHO Ⅱb 型高脂血症
を示しており、低年齢での虚血性心疾患、腱黄色腫を合併していることから、家族性高コ
レステロール血症が強く疑われる。LDL 受容体アッセーにより低値を証明すれば確診でき
る。食事療法に加え、HMG 還元酵素阻害薬、コレスチラミン、プロブコールなどによる薬
物療法で効果が不十分の場合は LDL-Apheresis(体外に誘導した血液をカラムに通し、リ
ポ蛋白を特異的に吸着する方法)の適応となる。急性膵炎の合併は家族性リポ蛋白リパー
ゼ欠損症に特徴的な所見である。


70.b
IRI(血中インスリン値)が上昇していることから、インスリン抵抗性が考えられるので、
SU 剤よりピオグリタゾンの方が良い。高血圧に対し、良好な血圧管理を行うことで腎症の
発症、進展を阻止することができる。降圧剤の第一選択として ACE 阻害薬が使用される。
β-ブロッカーは糖代謝に悪影響(β受容体刺激はインスリン分泌を促進する)があること、
低血糖発作をマスクすることなどから避けるべきである。

				
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