mu-c-toyoda-nakamura by niusheng

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									 総顧客価値が与える
価格態度への影響の研究
映 画 鑑 賞 促 進 に 対 す る
  周 辺 施 設 情 報 提 供 の 有 効 性



     多摩大学 豊田ゼミナール 無形財班
 愛沢小百合 大池昂之 高橋宏明 中村一希 野澤愛実



       Marketing is a battle of perceptions.
                  Toyoda Seminar
                                               1
             目次

■不況
■現状分析
■研究目的
■先行研究
■着眼点
■仮説構築
■仮説検証
■インプリケーション


                  2
不況             不況による節約志向

               不況           節約
     節約志向の調査において“日々支出をおさえているもの”という項目において、
     30%以上の人々が「趣味、娯楽」を選択している。楽天リサーチ'2009(


     基礎的支出
     生活必需品に対する支出。               必需品
     必需品の項目を削るのは難しい。



     選択的支出
     生活必需品以外に対する支出。           趣味、娯楽
     環境の変化に応じて柔軟に調整しやすい。

                              出典:ニッセイ基礎研究所'2008(



       「趣味、娯楽」は節約されやすい                             3
現状
分析                  映画館を取り巻く環境
余暇の過ごし方=趣味、娯楽
余暇の過ごし方 第一位。レジャー白書'2008(
                                               映画業界'映画館(
                               外的要因
映画の鑑賞方法                                                  テレビ
〔あなたはふだん映画をどのようにしてご覧になりますか?[複数回答]〕
                                                         放送
                                    N=13,515




                                                         映画館

                                               レンタル            レジャー
                                               DVD ビデオ         多様化



                 出典:MyVoice'2009(
 映画の収益減少をビデオレンタルの増加、趣味や娯楽、エンターテイメント等のレジャーの多様化と指摘している。
                                                                 関根'2007(



 映画館の価値を見いだせなくなっている                                                         4
現状
分析         価格プロモーション メリット

価格プロモーションとは
        値引きや特売など、価格に訴求するプロモーション
                           上田・守口編'2004(

 映画業界の価格プロモーション




 メ リ ッ ト
 顧客の増加
 入場者数が少ない曜日、時間帯にアプローチできる



           短期的に有効な戦略                      5
現状
分析                価格プロモーション デメリット

 価格プロモーション

デ メ リ ッ ト
                                                  値下げ
     内的参照価格'値頃感(の低下                        価格競争
     安くないと売れないという事態を招くこと、
     消費者が値引きを待ってしまうことなどの
     弊害が指摘されている。
     DelVecchio,Krishnan and Smith'2007(


                                            値下げ    値下げ




 長期的には収益構造の圧迫につながる                                       6
研究
目的          研究目的




       価格プロモーションに依拠せずに
     購買行動を喚起させる方法を提案すること




     購買行動を喚起させる方法を検討       7
先行
研究               価値とコストの関係
 購買行動を価値とコストの関係で考察            価値がコストを上回れば購買行動につながる
                                                      コトラー&ケラー'2008(
                総顧客価値-総顧客コスト=購買行動

                          購買行動
                         顧客の受取価値




   映画鑑賞から
 得られるトータルの価値
                 総顧客価値     -       総顧客コスト
                                                     映画鑑賞をする際に
                                                     支払うトータルのコスト
具体例                                                具体例
     作品、映画館施設     製品価値              金銭的コスト               映画鑑賞価格

       事前予約      サービス価値             時間的コスト               費やす時間

      従業員の態度     従業員価値             エネルギーコスト              費やす労力

      企業イメージ     イメージ価値             心理的コスト                   不安

                           出典:「顧客の受取価値の決定要素」コトラー&ケラー'2008(




 価値がコストを上回ると購買につながる                                               8
先行
研究                         価格への態度
                                         顧客の受取価値
 価値がコストを上回る3つの方法


     1      価値を上げる

                                  総顧客価値               総顧客コスト
           価格を下げる             1                                       2
     2

                                  製品価値                 金銭的コスト
     3 価格以外のコストを下げる                                    時間的コスト
                                  サービス価値

     コトラー&ケラー'2008(より作成           従業員価値               エネルギーコスト            3
                                  イメージ価値               心理的コスト
                   我々の考え


 総                                  出典:「顧客の受取価値の決定要素」コトラー&ケラー'2008(
 顧
 客                  コ
 価                  ス
 値                  ト
                           知覚金銭的コスト                価格への態度


 価格への態度を知覚金銭的コストと定義                                                   9
着眼
点              知覚金銭的コスト
 金銭的コスト                      コトラー&ケラー
                                '2008(
         高い            納得!


     1800円    価格を下げる
                       1000円


 知覚金銭的コスト                      我々の考え

         高い            納得!


     1800円    価値提供
                       1800円


 知覚金銭的コストを下げる≒金銭的コストを下げる                 10
着眼
点                  消費外価値
      現在の価値訴求                サービスの無形性

     映画鑑賞に対して広告       消費せずに、サービスの価値を理解してもらう事は困難である。
                                        コトラー&ケラー'2008(




 着目                           着目               着目
 「消費する前」「消費した後」を
                             消費する前          消費した後
 想起をさせることで映画を見る楽しみが増える。




消費外価値
消費外価値を、消費者が「消費する前」「消費した後」を想起することによってうまれる価値と定義する。

周辺施設情報に着目
「消費外価値」を想起させるのに、適していると考える。



           周辺施設情報に着目                                11
仮説
構築     仮説構築にあたり




周辺施設情報が価値を高め、価格態度を良好にする   12
仮説
構築                           仮説
     H1.当該作品の詳細情報に触れていない人より、
        当該作品の詳細情報に触れた人の方が、総顧客価値があがる。

     H2.周辺施設情報に触れていない人より、
        当該作品の詳細情報に加え、周辺施設情報に触れた人の方が、
        総顧客価値があがる。
     H3.当該作品の詳細情報に触れていない人より、
        当該作品の詳細情報に触れた人の方が、知覚金銭的コストがさがる。

     H4.周辺施設情報に触れていない人より、
        当該作品の詳細情報に加え、周辺施設情報に触れた人の方が、
        知覚金銭的コストがさがる。
     H5. 総顧客価値があがると、知覚金銭的コストがさがる。
          実施日:2009年11月13日
          調査対象者:多摩大学1~4年生 男女180名'Aグループ26人 Bグループ29人 Cグループ28人(
                 「THIS IS IT」への興味3~5と回答した人を採用
調 査 概 要   実施方法:配票調査
          分析方法:分散分析'一元配置 回帰分析(




総顧客価値 知覚金銭的コスト 周辺施設情報                                          13
仮説
構築                             仮説
      Aグループ                    Bグループ             Cグループ
      基本的情報                    詳細情報           詳細情報 + 周辺情報


 「THIS IS IT」詳細情報なし
  映画館の周辺情報なし




 総
     行きたい度             知   価格への納得度を反転
                                               総            知
 顧                     覚                       顧    H5      覚
 客                     金                       客            金
                            H3
 価                     銭                       価            銭
                  H2   的                                    的
 値                                             値
                       コ             H4                     コ
                       ス                                    ス
         H1            ト                                    ト


     A        B   C        A     B        C
     周辺施設情報・価値とコストの関係性                                      14
仮説
検証                   仮説検証 H1・H2
     H1.当該作品の詳細情報に触れていない人より、
        当該作品の詳細情報に触れた人の方が、総顧客価値があがる。

     H2.周辺施設情報に触れていない人より、        棄却
        当該作品の詳細情報に加え、周辺施設情報に触れた人の方が、
        総顧客価値があがる。
                                              採択
                     7.43
                            有意確率(総顧客価値)       P値
                            Aグループ・Bグループ間   0.732   H1
                            Aグループ・Cグループ間   0.000
                            Bグループ・Cグループ間   0.001
                                                   H2
              5.52
       5.12
                                              一元配置分散分析
                                               多重比較より




周辺施設情報は総顧客価値を増大させる                                      15
仮説
検証               仮説検証 H3・H4
     H3.当該作品の詳細情報に触れていない人より、
        当該作品の詳細情報に触れた人の方が、知覚金銭的コストがさがる。

     H4.周辺施設情報に触れていない人より、
                                                 棄却
        当該作品の詳細情報に加え、周辺施設情報に触れた人の方が、
        知覚金銭的コストがさがる。
                                                 採択
          5.62
                               有意確率(総顧客価値)       P値
                 4.93
                               Aグループ・Bグループ間   0.485   H3
                               Aグループ・Cグループ間   0.001
                               Bグループ・Cグループ間
                                                      H4
                                              0.023
                        3.36

                                                 一元配置分散分析
                                                  多重比較より



周辺施設情報は知覚金銭的コストを減少させる                                      16
仮説
検証                    仮説検証 H5
     H5. 総顧客価値があがると、知覚金銭的コストがさがる。
                                        採択

                                    有意確率
                                     .000


                                  Β=-.718
                                  有意確率
                                   .000


      従属変数 知覚金銭的コスト

                           回帰分析




総顧客価値が上がるほど、知覚金銭的コストが下がる 17
仮説
検証                             検証結果
総                          知                     総        知
顧                          覚                     顧   採択   覚
客                          金                     客        金
                               棄却
価                          銭                     価        銭
                  採択
値                          的                     値        的
                           コ            採択                コ
                           ス                              ス
         棄却                ト                              ト


     A        B   C            A    B        C

    採択した仮説から           1   周辺施設情報は、訴求する価値として適当

                       2   周辺施設情報は、価格に対する態度を良好にする

                       3   総顧客価値が上がると、価格に対する態度が良好になる




 周辺施設情報が価格態度を良好にする                                        18
仮説
検証                まとめ
                顧客の受取価値




         総顧客価値           総顧客コスト


         製品価値             金銭的コスト        ≒     知覚金銭的コスト

         サービス価値           時間的コスト

         従業員価値           エネルギーコスト

         イメージ価値           心理的コスト

          +       出典:「顧客の受取価値の決定要素」コトラー&ケラー'2008(

         消費外価値




     消費外情報は価値訴求に適している                                    19
イン
プリ                 インプリケーション
           「周辺施設情報」を用いて
 「消費する前」・「消費した後」を想起させる新しいサービスを提案




 概要

     タイトル   JOYTOTALコーディネートサービス

     メディア   映画館などのHP

     内容     顧客がHPにアクセスした時刻から、各作品の上映するまでの時間
            と鑑賞終了後の時間に対して周辺施設情報を用い、
            楽しみをコーディネートするサービスである


                                             20
イン
プリ                  インプリケーション

     上映作品別




        JOY   JOY     JOY   JOY   JOY

                        クリック

        JOY   JOY     JOY   JOY   JOY   JOY




                                              21
                                 【作品情報】
                                 離婚して引っ越してきたばかりの40歳シングルマザーと、24
                                 歳の青年が惹'ひ(かれ合うロマンチック・コメディー。監督は、
                                 人気女優ジュリアン・ムーアの夫としても知られるバート・フ
                                 レインドリッチ。主人公の男女を『幸せのレシピ』のキャサリ
                                 ン・ゼタ=ジョーンズと『ナショナル・トレジャー』シリーズの
                                 ジャスティン・バーサが演じている。人生を再生させ始めるセ
                                 クシーなアラフォー女性と、人生に戸惑うバツイチ青年の恋
                                 の行方に注目だ。

             アクセスさ
             れた時間
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                                                   ラブスト-リ-=ロマンチック
                                                   アクション=ワクワクできる
 今現在の時刻               ラブストーリ-見る=ロマンチックな気分に
                                                   コメディ=癒される
  12時00分             ロマンチックな気分になれる周辺情報             ホラー=刺激的になれる



  13時00分      時間に     ○○店       ××公園         ○○店
              あった施
              設を提案
  15時00分
  14時00分              ○○店       ○○店
                                ××公園         ○○店

                      ○○店       ○○店
                                ××公園         △△店
                                             ○○店
上映開始 18時40
   分

                                                                22
                                   【作品情報】


                                                                       あなただけのお楽しみコーディネートプラン
                                   離婚して引っ越してきたばかりの40歳シングルマザーと、24歳の青
                                   年が惹'ひ(かれ合うロマンチック・コメディー。監督は、人気女優
                                   ジュリアン・ムーアの夫としても知られるバート・フレインドリッチ。主
                                   人公の男女を『幸せのレシピ』のキャサリン・ゼタ=ジョーンズと『ナ
                                   ショナル・トレジャー』シリーズのジャスティン・バーサが演じている。
                                   人生を再生させ始めるセクシーなアラフォー女性と、人生に戸惑う
                                   バツイチ青年の恋の行方に注目だ。


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                        ラブストーリ-見る=ロマンチックな気
                                                      アクション=ワクワクできる
 今現在の時刻                 分に
                                                      コメディ=癒される
  12時00分              ロマンチックな気分になれる周辺情報               ホラー=刺激的になれる




   13時00分
                       ○○
                                   ××公園
                                             ○○
                                                                        13時00分   ××公園       詳細情報
               時間に     店                     店
               あった施
               設を提案
   15時00分
   14時00分      詳細情報    ○○
                       店
                                   ○○
                                   ××公園
                                   店
                                             ○○
                                             店

                       ○○          ○○        △△
                                             ○○
                                   ××公園
                       店           店         店

上映開始 18時40分




                                                                        15時00分    ○○屋       詳細情報




                                                                        17時00分    △△店       詳細情報


選択された施設と時間を組み合わせ
    プランとして表示                                                               上映開始 18時40分 「理想の彼氏」



                                                                        22時00分    ■■居酒屋
                                                                                                   23
イン
プリ              Win - Win - Winの関係

                                 1、値引きしない価格で納得する
                                   顧客の獲得に繋がる

                                 2、広告料により、入場料以外の
                                   新たな収入源確保ができる
                    映画会社
1、アプローチしたいターゲットに効
  果的なプロモーションを提供可能

2、映画内容と関連が強いため消費               1、映画だけの楽しみだけでなく、
  者満足度の増大につながり、次                 それ以外の楽しみが増える。
  回の購買を喚起できる。                  2、様々な新しい施設情報を獲得できる




          周辺のお店             消費者



                                                   24
            最後に

 不況の影響により顧客の支出の痛みが増加している。
それに対し、企業は「価格プロモーション」を頻繁に行ってい
             る。

  価値を高めることで、価格態度を良好にできることが
       本研究であきらかになった。

価格にアプローチするのではなく、価値にアプローチするこ
            とが、
    負のスパイラルからの脱却につながる。

『価値訴求』が不況に打ち勝つマーケティングであると考える。
 不況に打ち勝つマーケティングは『価値訴求』である    25
                                    参考文献
【1】コトラー&ケラー'2008(『コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント』基本編 株式会社ピアソン・エデュケーション
【2】高橋秀雄'1992(『サービス業の戦略的マーケティング』 中央経済社
【3】財団法人 社会経済生産本部 '2008(『レジャー白書 選択投資型余暇の時代』
【4】太宰潮'2008(『価格訴求型プロモーションに関する一考察』 -店頭プロモーションにおける経験価値アプローチ-
   日経ビジネス2006年7月17日号「特集売れる値上げ」P26~41
【5】上田隆穂'2004(『消費者における価値と価格』 学習院大学第41巻第2号
【6】博報堂生活総合研究所生活新聞'2004(【http://seikatsusoken.jp/pdf/sinbun408.pdf 】
【7】ニッセイ基礎研究所'2008(【http://www.nli-research.co.jp/report/econo_letter/2008/we080725.pdf 】
【8】清水均'2007(『第6回 価格設定と知覚価値の重要性 -その1-』【http://www.bistromate.com/asp-bm/column/20071112/】
【9】楽天リサーチ'2009(【http://www.garbagenews.net/archives/695646.html】
【10】関根康男'2007(『映画館の現状と将来像』【http://www.nuis.ac.jp/~takagi/soturon/data/dat06/12003084.html 】
【11】フリー画像素材EyesPic 【http://eyes-art.com/pic/】
【12】マイケル・ジャクソン THIS IS IT 公式サイト【http://www.sonypictures.jp/movies/michaeljacksonthisisit/】
【13】日経プラスワン 2009/07/04 002ページ
【14】日経流通新聞 2009/07/17 009ページ
【15】北千住.Blog【http://kitasenju.net/blog/archives/2007/04/post_95.html】
【16】ファミ通.com【http://www.famitsu.com/game/news/2006/06/21/103,1150891566,55350,0,0.html】
【17】楽天市場【http://item.rakuten.co.jp/sanwadirect/c/0000000121/】
【18】テレビの機能美をさらに引き立てるルーバーテレビボード【http://modan.sblo.jp/article/6405573.html】
【19】ワーナー・マイカル・シネマズ【http://www.warnermycal.com/event/】
【20】TOHOシネマズ【http://www.tohotheater.jp/service/index.html】




                                                                                              26
御清聴ありがとうございました。




                  27

								
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