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第1回 開発におけるマネジメントを考 by domainlawyer

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									開発援助におけるマネジメント研究会 (SIG-MODe) 第3回 議事録 財団法人国際開発高等教育機構 (FASID) 開催概要 日時: 平成20年5月30日(金)18:15~20:15 場所: 財団法人国際開発高等教育機構 (FASID) 参加者: 18名 講師: 浪江 一公 氏 株式会社フュージョン アンド イノベーション ディレクター 日本工業大学専門職大学院 客員教授 議題: 「地球温暖化のODAプロジェクトへのインパクト」 内容 ・発表内容については講演資料を参照のこと。

****************************** 参加者:排出権取引は、それ自体で対価として途上国側に儲けが発生するため、ビジネスと して成り立つように見受けられるが、それなのになぜ敢えてODAを使う必要があるのだろう か。 講師:CDMをビジネスとして回していく場合には、キャッシュフローやコストとリターンが重要 な要素になる。コストの大きな部分である資金コストは、民間から資金を調達する場合には大 きなコストになるが、ODAの無償を利用すればその分のコストがなくなるため、プロジェクトと して成り立ちやすいのではないかと思う。 参加者:講義の中で、「先進国の技術を途上国に移転するよりも、途上国においてはそこに 既にあるプリミティブな技術の方が現地の社会文化環境に適応しているため使いやすい場合 が多い」という話があったが、例えば太陽光発電のパネルなどは、最低限の保守管理ができ る現地の技術者の育成など、技術移転もある程度必要なのではないだろうか。 講師:太陽光発電のソーラーパネルの組織の一つであるセルを作るのは基本的には中、先 進国で行い、それを組上げる作業は途上国で行う。この際に、例えば水が入らないように組 上げをするなどの技術移転はありうるが、そんなに多くはない。

参加者: ODAに限らず、普通の企業でもエコシステムなどに関心をもっているところはある のではないだろうか。 講師:そういう企業も多いだろう。しかしCDMなど環境事業においては、例えば現地政府や 関係各所の承認を得たり、現地の人材育成を行ったりなど、非常に多くのステークホルダー や要素が関わってくる。それらをすべてカバーするのは一企業だけでは難しい。また環境事 業は社会貢献の側面が強いが、企業は常に利益を追求しなければならない組織であるため、 企業だけですべてを行うことは難しい。 参加者:講義で紹介された4つのイノベーションの分類(プロジェクト、マネジメント、マーケティ ング、組織)は大変興味深いが、基本的にはどれもソーシャルイノベーションに関わるものと 理解した。このようなソーシャルイノベーションを志している企業家なども少なくないのでは。も ちろんODAで事業を行うことを否定するわけではないが、例えば間接的にそのような社会企 業家を育てるなどのサポートもありうるのではないだろうか。 講師:それは確かにあるだろう。 参加者:JICAでも環境分野での支援をいくつか行っているが、分野や国に偏りがでてしまっ ているのが難しい点である。環境分野の事業は一般的に有効性の立証が非常に難しいため、 おのずと立証がしやすい分野の事業に偏りがちである。例えば省エネ分野での支援は有効 性がわかりやすいので実施しやすいが、森林分野のプロジェクトによってどれだけCO2が吸 収できるか、という方法論が確立されていないので、それはCDMプロジェクトになりにくい、等。 またそれぞれの国においてCDMを取り扱う機関が設置されているのだが、国によってこの機 関の能力に偏りがあり、現状では比較的能力の高い中国、インド、ブラジルなどに事業が集 まっている。さらにCDMでは、民間のマーケットが関わる要素も大きいため、民間の利益に 結びつきやすいところに集中してしまう。環境分野での支援は、このようにいろいろな制約条 件が関わってくる。その中で技術協力実施機関であるJICAができる事といえば、例えば途上 国のCDM認定機関の能力強化プロジェクトの実施や、一般のプロジェクトのフィージビリティ ースタディやマスタープラン作りの際にCDMの視点を踏まえて提言を行う等、側面的な環境 整備である。CDMのプロジェクト自体は大変お金がかかるので、JBICは出来るが、JICAで は出来ない。今回の話は小規模CDMといわれるバイオガスなどの話だったが、それであれ ばJICAもこのようなことはやっている。個人的には現地のローカルナレッジを活用して温暖 化対策の緩和策をサポートするということであれば、必ずしもCDMの枠組みに当てはめなく ても、ODAの他の仕組みの中ででも対応可能なのではないかと考えている。例えば緩和策 の次期枠組みのセクター別アプローチにおける低炭素社会へ向けた技術移転等である。ま

た最近ODAでは Co-benefit 型アプローチとしてCO2削減にもなり、開発目標にも裨益する ような事業を目指しているが、これもCDMだけに限っているわけではない。 講師:しかし一般の国民からすると、せっかく税金を使って省エネプロジェクトをやるのであれ ばそれらプロジェクトの効果に加え、CDMの枠組みを使って排出権のクレジットを一緒に獲 得してほしいと思うのではないだろうか。また政府も厳しい削減目標があるのだから、この目 標達成のために出来るだけ省エネプロジェクトを活用したいと思うのではないだろうか。 参加者:今はわからないが、少し前まではCDMはODAを使えなかった。 参加者:最近は使えるようになった。 参加者:JICAは技術協力の実施機関であるので、CDMの枠組みでも、JICAができるのは 技術移転による周辺整備しかない。 参加者:スリランカでの例だが、これまでただ燃やして捨てるだけだったココナッツの殻を集め て、密閉した工場で焼き、このときに出るメタンガスを発電に使い、炭は活性炭として売ってい るビジネスがあり、そこにJBICが注目して「ツーステップローン」の枠組みを使って支援するこ とになった。これはまず円借款のお金を途上国の中央銀行に入れ、そこから商業銀行に送り、 さらにそこから中小企業に届けるというしくみである。これは一種の小規模CDMの支援と言 えるのではないだろうか。また講義中の「分野・組織横断的な対応が重要である」という指摘 については、これは容易なことではないが、JBICの中では気候変動対策室というのができて 組織の中で動いているし、JICAにもこれに相当する部署があると聞いている。JJ統合の後も、 部署間の垣根をさらに低くしてやっていきたい。 参加者:講義中の「ODAはマクロの視点で、ハイハンギングフルーツを狙っていかなければ ならない」という話は大変興味深かった。これに関連し、8月の洞爺湖サミットで日本は産業セ クターごとのCO2削減目標を設定する「セクター別アプローチ」の提案を考えているようだが、 プロジェクトマネジメントの視点から見たときに、これは実施可能なのだろうか?産業が発展 して複雑化している先進国での産業のセクター割りは難しいが、産業が比較的シンプルな途 上国ではわかりやすく、受け入れられやすいのではないかということだが、いかがだろうか。 講師:それについては知識がなく、お答えできず申し訳ない。 参加者:環境ビジネスのコンサルティングにおいて、他の分野のコンサルティングと異なる点 や、難しい点はあるか。

講師:基本的には他の分野と大きく異なることはないが、例えば温暖化についてはまだ将来 が予測不可能で不確定要素が多いことが挙げられる。新しいアイデアが次々に出てきていて、 例えばここ数年はバイオ燃料のジァトロファがブームになっているが、これが本当に価値があ るものかどうかは実ははっきりとはわかっていない。ジァトロファは食べることが出来ず、また 食用作物が育たないような荒地にも育つため食糧作物との競合がないということで、ここ数年 急に取り立たされるようになったが、実際には荒地で収獲されたジァトロファは収量が少なく 使い物にならないということも言われ始めている。このように環境ビジネスについては何が本 当に問題で、何が使えるものなのか、実際のところわかっていない点が多い。しかし対応を求 められるスピードが大変速いので、未確定な要素をもってハイスピードで動かなければなない ところが特徴であり、難しいところである。 以上


								
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