Global Financial Stability Report - PowerPoint by yIqCyW40

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									         第4章.金融危機
        ○従来の金融危機との比較
• 共通性
 – 信用供与の行き過ぎと急収縮
 – バブルの発生と崩壊
• 異質性
 – 証券化市場が危機の中心・証券関連で大規模損失
   • 投資銀行の破綻:ベアー・スターンズ、リーマン・ブラザーズ
 – 損失の広がり:銀行以外、地理的広がり
 – 市場危機
   • 市場価格の暴落
   • 流動性危機
 – Shadow Banking System
 – 市場型金融システムの広がりの中での金融危機

                                    1
○信用供与の行き過ぎと急収縮
・




IMF, Global Financial Stability Report: Market Update, July 2009   2
・
                         世界の証券化商品発行額の推移



                               商業不動産ローン担保証券          プライム住宅ローン担保証券



                                 サブプライム住宅            その他の証券化
                                 ローン担保証券




    Bank of England Financial Stability Report April 2008 p.6        3
 ・世界のLBOローン供与額は2004年以降急増
 LBOローン:買収対象企業の資産を担保として買収資金を提供するローン




Bank of England Financial Stability Report Oct. 2008 p.8   4
・アメリカの銀行の住宅ローン伸び率:2002年以降高い水準を維持


                               米銀:住宅ローン実質伸び率

 25%
 20%
 15%
 10%
  5%
  0%
       1946
              1950
                     1954
                            1958
                                   1962
                                          1966
                                                 1970
                                                        1974
                                                               1978
                                                                      1982
                                                                             1986
                                                                                    1990
                                                                                           1994
                                                                                                  1998
                                                                                                         2002
                                                                                                                2006
 -5%
-10%

                                                                                                                       5
   ・
                           サブプライムローン供与の推移
    10億ドル                                                                        %




Federal Reserve Bank of San Francisco 2007 Annual Report ;The Subprime Mortgage Market p.8   6
・サブプライムローンの証券化は2003年以降急上昇




                            7
 大澤和人『サブプライムの実相』p.6
・参考:バブル期の日本の不動産業向け貸出の激増


                     日本の不動産業向貸出実質増加率:国内銀行

 40%
 35%
 30%
 25%
 20%
 15%
 10%
  5%
  0%
       1975
              1976
                     1978
                            1979
                                   1981
                                   1982
                                          1984
                                                 1985
                                                        1987
                                                               1988
                                                                      1990
                                                                             1991
                                                                                    1993
                                                                                           1994
                                                                                                  1996
                                                                                                  1997
                                                                                                         1999
                                                                                                                2000
 -5%
-10%
                                                                                                                       8
    19




                     10%
                           15%
                                 20%
                                       25%
                                             30%




           0%
                5%
      46
    19
      50
    19
      54
    19
      58
    19
      62
    19
      66
    19
      70
    19
      74
    19
      78
                                                                  ・アメリカの銀行のバランスシート:




    19
      82
    19
      86
                                                   米銀:住宅ローン/総資産




    19
      90
    19
      94
    19
      98
    20
      02
    20
      06
9
・
    ⇒借金のスリム化・返済のための消費節約が始まる
    ⇒アメリカ向けの輸出に依存していた世界中の国に対して大きなデフレ圧力


1.6

1.4

1.2

    1

0.8

0.6

0.4

0.2

    0
  46

  50
  54
  58

  62
  66
  70

  74
  78
  82

  86
  90
  94
  98

  02
  06
19

19
19
19

19
19
19

19
19
19

19
19
19
19

20
20
          家計負債可処分所得比      家計負債保有資産比
                                         10
・
    2000年代の信用拡大の特徴:家計向け信用の拡大
    証券化は小口のローンを集めて、機関投資家の大口の資金を
    呼び込むのに適している


                                            家計負債残高の可処分所得比
                                                            %




                                                                11
IMF Global Financial Stability Report Oct. 2008 p.18
    ○住宅バブルの発生と崩壊

• 住宅バブルの発生と崩壊


• サブプライムローンの急増と不良債権化
 – サブプライムローンの元利返済
  • 経常的収入からではなく、期限前弁済による元本返済を前提
  • 住宅価格上昇による担保価値向上を利用した低金利ローンへ
    の借り換えによる期限前弁済
 – 住宅バブル崩壊により住宅価格が下落し、
 –・

                                  12
・米英日の住宅バブルの発生と崩壊




Gross Domestic Product:国内総生産

『経済財政白書』平成21年版p.96             13
藤井眞理子『金融革新と金融危機』日経新聞社p.214   14
・期限前弁済率の推移:サブプライム(上図)、プライム(下図)




 CPR:期限前弁済率、 ARM:変動金利、Fixed:固定金利

Loan Performance, The MarketPusle, December 2008 data   15
・




日本銀行「金融市場レポート」2008年7月p.6   16
○証券関連で大規模な損失発生
• アメリカのローンと証券の損失(IMF推計、
  2008年10月時点)
• ローンの損失
 – 4250億ドル、損失率:3.4%
• 証券の損失
 – 9800億ドル、損失率:9%




                          17
○損失の広がり:銀行以外

・証券化商品の推定損失の分担状況:2008年10月時点 IMF推定

                                                年金・      政府系住宅 ヘッジ
                     銀行            保険
                                                貯蓄機関     金融機関  ファンド等

 サブプライム
                     48-52%        19-21%       17-26%   5-7%      5-12%
 MBS
 ABSCDO              50-55         19-36        10-16    5-7       5-10

 プライムMBS 25-31                     13-19        13-25    25-31     0-6

 CMBS                50-56         13-16        9-22     6-13      9-13

 CLO                 50-67         0-17         0-17             0 17-33

 全体                  39-53         16-21        12-21    7-10      6-12
 IMF Global Financial Stability Report Oct. 2008 p.15                      18
・今回の金融危機で歴史的規模の損失が発生
                        世界の金融危機の比較
    単位:10億ドル                                                     %




            米国:貯蓄貸付組合危機       日本:銀行危機      アジア:銀行危機    米国:サブプライム危機




IMF Global Financial Stability Report Oct. 2008 p.16                 19
○損失の地理的広がり
・サブプライム証券化商品への投資は、米国以外の国からも
大規模に行われ、その損失は世界的に広がる
                                                         未計上
                                                 損失推定額   損失推定額

              損失計上額




IMF Financial Stability Report April 2008 p.52                   20
・金融危機による世界の銀行の損失額と損失率:2007-2010年

                     貸出                  証券                   合計
  アメリカ               6540億ドル             3710億ドル              10250億ドル
                     8.1%                8.2%                 8.2%

  ヨーロッパ              11420               4760                 16180
                     4.4%                5.1%                 4.6%

  アジア                970                 690                  1660
                     1.6%                4%                   2.1%

  世界                 18930               9160                 28090
                     4.7%                5.9%                 5%

                                                                         21
I IMF, Global Financial Stability Report, October 2009 p.10
○市場価格の暴落
・




    IMF Global Financial Stability Report Oct. 2008 p.13   22
・証券化商品の市場価格急落による評価損の拡大
評価損 > 推定実態損失(原資産ローンの将来推定損失率から計算)




Bank of England, FSR Oct. 08 p.16
                                    23
            ○流動性危機
• 証券化商品の市場流動性急低下
    – サブプライムローンのデフォルト増大、サブプライム関連証
      券化商品の不透明性
    –⇒          (市場に買手不在で資産の現金化が
      できない。無理に現金化しようとすると極端に安い価格にな
      る。)
•              (Funding Liquidity Risk):


• ベアー・スターンズは流動性リスクに直面し、経営破綻
  2008.3.16.
    – ベアー社に対する信用不安の高まり→取引先(銀行・証券
      会社・ヘッジファンド)による資金引き上げ(取り付け)
    – 証券化商品市場の市場流動性の枯渇→ベアー社は大量の
      MBS,CDOを持っていたが、それの売却もそれを担保とした
      借入も難しかった                    24
・金融危機での金融市場での流動性の涸渇




IMF, Global Financial Stability Report, Oct. 2009 p.4   25
○米大手証券会社ベアースターンズの流動性危機
 2008年3月16日に経営破綻




Bank of England, Financial Stability Report, April 2008   26
  ○流動性危機          ・市場流動性の低下、金融機関・企業の流動性
                   リスクの増大が激しくなり、金融システムが危機に
                   陥ること

  サブプライム
               損失の
  ローンの
               発生・拡大
  不良化
                                 貸借相手への
                                 不安・不信増大


        資産価格              借入返済
        下落                ・取付け
                                     短期金融
                  資産の     流動性        市場の
                  投売り     リスクの       機能麻痺
                          増大
証券化の      市場流動性
不透明性      の低下                      金融機関の
・格付不信                   金融
                                   連鎖倒産の
                        システム
                                   危険性
                        危機                 27
• Shadow Banking System(影の銀行システム)
  – ヘッジファンド、SIV、証券化等を通じる資金の流れ
  – 資金余剰主体から資金不足主体への資金の流れ
    • 従来、銀行が預金・貸出の形で資金の流れを仲介
    • 銀行と同じ仲介機能をヘッジファンド、SIV、証券化等が果たすように
      なり、その部分が拡大
  – 今回の危機においてShadow Banking Systemで問題が集
    中的に発生
  – Shadow Banking Systemは銀行に比べて規制が緩い
    • Structured Investment Vehicle:銀行によって設定・運用され、オフバランス
      で、証券化商品等に投資するファンド
    • コンデュイット:短期のローンや売掛金を証券化するSPC、ABCPを発行
    • Asset Backed Commercial Paper:資産担保CP
    • Money Market Fund:短期の金融商品に運用する投資信託
                                                     28
    ・ Shadow Banking System:
 :資金の流れ   :流動性供給枠
                            貸出・債券
                 銀行
                             株式・債券
               年金
               生保


                            SIV・
資金余剰                ABCP   コンデュイット   資金不足
主体:家計        投資信託                    主体:企業・
                      株式・債券・CP
              MMF                     家計・国
                           証券化商品

            ヘッジ
            ファンド等          証券化



                                          29
        米国:金融システムの市場化・市場型金融機関のシェア拡大

 70%

 60%

 50%
                                      預金金融機関
 40%                                  年金
                                      投資信託
 30%                                  証券化
                                      市場型金融機関
 20%

 10%

 0%
  70

  73

  76

  79

  82

  85

  88

  91

  94

  97

  00

  03

  06
19

19

19

19

19

19

19

19

19

19

20

20

20


・市場型金融機関:年金、投資信託、証券化、保険
                                                30
・金融システムの市場化の中での証券会社の規模拡大:米国
       %
 100

 90

 80

 70

 60                                                                                                                    証券会社資産規
                                                                                                                       模GDP比
 50
                                                                                                                       銀行資産規模
 40                                                                                                                    GDP比
                                                                                                                       証券会社/銀行
 30

 20

 10

   0
       1945
              1949
                     1953
                            1957
                                   1961
                                          1965
                                                 1969
                                                        1973
                                                               1977
                                                                      1981
                                                                             1985
                                                                                    1989
                                                                                           1993
                                                                                                  1997
                                                                                                         2001
                                                                                                                2005
 ・今回の金融危機:
 市場型金融システムが広がる中で、(証券)
           ゲートキーパー:証券市場が円滑かつ健全に機能するための専門的サービスを
           提供する業者(証券会社、格付会社、監査法人)

                                                                                                                                 31
      第4章:参考文献
• みずほ総合研究所『サブプライム金融危機:21世紀
  型経済ショックの深層』日本経済新聞社2007
• 竹森俊平『資本主義は嫌いですか:それでもマネー
  は世界を動かす』日本経済新聞社2007
• 小林正宏・大類雄司『世界金融危機はなぜ起こった
  のか』東洋経済新報社2008
• 滝田洋一『世界金融危機:開いたパンドラ』日経プレ
  ミアシリーズ2008
• 岩田規久男『金融危機の経済学』東洋経済新報社
  2009
• 藤井眞理子『金融革新と市場補危機』日本経済新
  聞社2009
                         32

								
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