Masatoshi Nomura NEC Corp by 917mMF

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									          UDマトリックスの実践的活用方法の提案
○野村昌敏(NEC)柳田宏治(三洋電機),山岡俊樹(和歌山大学)           ,
                                ,山崎和彦(日本IBM)
      岡田 明(大阪市立大学大学院),斎藤聡介(ヒューマンファクター)

            Proposal of practical use for universal design matrix
          Masatoshi Nomura (NEC Corp.),Koji Yanagida (Sanyo Electric Co.,Ltd.),
         Toshiki Yamaoka (Wakayama Univ.), Kazuhiko Yamazaki (IBM Japan Ltd.),
              Akira Okada (Osaka City Univ.), Sosuke Saito (Human Factor Co.)



1.はじめに                                         ーザのとらえ方とユーザデータの活かし方」を参照).
 高齢者人口の拡大や人間中心設計の認識が高まり                          「個別タスク」,「ユーザグループ」の特徴にさらに
等にともない,ユニバーサルデザイン(以下 UD)の重                     「UD 原則」を考慮しながら,マトリックスの交差するマ
要性は増している.しかし,コストや製品の開発期間                       ス目に「個々の要求項目」を記入していく.
の関係などから,なかなか十分な配慮が難しい面があ
                                                表 1.基本タスク
る.そこで,日本人間工学会アーゴデザイン部会では
                                                  ①準備 :                作業に入る前の準備段階
UD の開発を効率的に行えるような,実践ですぐに役
                                                  ②作業開始 :              作業を開始する行為
立つガイドラインの提案を行ってきた.ここでは,最終
                                                  ③入力(感覚・知覚): ユーザが情報を得る
報告の一環としてガイドラインの中で進めている UD マ                       ④認知・判断・理解 : 得た情報をもとに考える
トリックスについてその全体像と応用的な活用方法に                          ⑤操作 :                考えた結果操作をする
ついて提案する.                                          ⑥作業終了 :              作業を終了する行為
                                                  ⑦フォロー・メンテナンス:         作業後または作業とは直
2.UD マトリックスとは
                                                                        接関連しない保守作業
 UD マトリックスとは,個々の状況に応じた UD の要
求事項を効果的に抽出するためのマトリックスであり,                      3.UD 原則
各行にユーザグループ,各列に UD 原則と操作の個                      商品を開発,提供する際には操作性,有用性,魅力
別タスクを分類し,その交差するセルに UD に関する                     性,の 3 つ側面に考慮する必要がある.それぞれの側
個々の要求事項を記入するものである.(図 2 参照)                     面には UD 原則(表 2)とサブ項目を設け,「個々の要
 UD マトリックスの作成は,既に作成されているサン                     求項目を」記入する際の手助けとしている.
プルマトリックスを参照しながら,図1の手順で行う.                        表 2.UD 原則

                                                 〈操作性〉 ①情報入手が容易であること
   ①個別タスク          ②ユーザグループ
    の記入              の記入                                    ②分かりやすいこと
                                                            ③心身の負担が少ないこと
                                                            ④安全であること
      ③ 個々の要求事項の記入                                          ⑤メンテナンスに配慮すること
                                                 〈有用性〉 ①妥当な価格であること
図1.UD マトリックスの設計手順                                           ②エコロジーを考慮していること
                                                            ③機能が必要充分であること
 個別タスクは7項目の基本タスク(表1)を基に,各                                   ④性能が必要充分であること
商品に合った個別の具体的なタスクを記入する.ユー                         〈魅力性〉 ①美しいこと
                                                            ②使うのが楽しいこと
ザグループの記入には「UD ユーザ分類表」および「ユ
                                                            ③所有していたいと感じさせること
ーザグループ早見表」を用いる(岡田明 他 「UD ユ
4.UD マトリックスの活用                             あらかじめ提示されているサブ項目に対して,開発の
 UD マトリックスはそのままでも充分実践に役立つこ                 アイデアを導き出そうというものである.
とを想定しているが,さらに様々な状況に合わせて効                     UD マトリックスは,UD を実現しようとする人が,フレ
果的に活用するために,応用例として「UD マトリックス                キシブルに改良,工夫しながら活用していただくことに
アイデアシート」「簡易 UD マトリックス」を考案した.               大きな意義があると考えている.
 UD マトリックスアイデアシートは,UD マトリックスを
作成してから,さらに具体的なアイデアに容易に落と                                     参考文献
し込みたい場合に活用するものであり,すでに抽出し                   [1] 野村昌敏:ハードウエアから見たユニバーサルデザイン

た要求項目を縦軸に整理しなおし,それぞれがどの                    ガ イ ド ラ イ ン , 日 本 人 間 工 学 会 第 41 会 大 会 講 演 集 ,
                                           pp76-77(2000).
ユーザグループ,UD 原則に該当するかを明記する.
                                           [2]野村昌敏:ユニバーサルデザインガイドラインのアーゴデ
さらに各要求項目に対し,重要度,課題,アイデアな
                                           ザイン部会提案(2),日本人間工学会第 30 回関東支部大
ど,必要な情報を記入する.最後にそれぞれの項目                    会考演集,pp108-109(2000).
の実現アイデアに対して,採用・不採用を決定してい                   [3]山岡俊樹,岡田明,野村昌敏,柳田宏治,山崎和彦:ユ

く.このアイデアシートは,要求項目から,具体的なコ                  ニバーサルデザイン・ガイドラインの提案,日本人間工学会

ンセプトの決定までのプロセスを明確にすると共に,そ                  第 42 回大会講演集,110~111(2001).

れを記録として残しておく際にも有効である.                      [4]野村昌敏,山岡俊樹,岡田明,柳田宏治,山崎和彦,斎

簡易 UD マトリックスは,開発者やデザイナー自身が                 藤聡介:実践的 UD マトリックスの提案,日本人間工学会関

詳細な要求項目を検討する段階を省略するもので,                    東支部第 31 回大会講演集,pp17-18(2001).



    Universal Design Matrix        製品名

                                         タ   ト
                                          ーゲッ ユーザの配慮すべき特性
    商品の3                                 視覚機 聴覚機 運動機 体格 認知機 その他 デモグ 文化           ユーザ
                D
               U 原則     基本タスク 個別タスク      能   能   能      能   の機能 ラフィッ             以外
     側面
                                                                ク



    操作性                       準備                  U D ユーザ分類表を参照しながら、              
                                                            た「
                                                  各商品に対応し ユーザグルー
          
        と .
    使えるこ 1情報入手が容易                                 プ」  を記入する。
                         作業開始
         であること

            分かり
           2.  やすいこと      入力             「基本タスク」に従い、各商品に対
           3.
            心身の負担が小
                        (感覚・知覚)           応し 個別タ
                                           た「    スク」を記入する。
             いこ
           さ と
                         認知・判断
            .
           4安全であること       ・理解
                                                     個別タスクとユーザグループに
            メ
           5. ンテナンスを配
           慮するこ と
                                                     該当する「個々の要求事項」を
                              操作                     記入する。

                         作業終了


                         フォロー・
                        メンテナンス
    有用性 1.妥当な価格                      
   役に立つこ 2. ロジー
          エコ
   と      機能
         3.
          性能
         4.                          
                                     
    魅力性 1. い
         美し
   ひきつける 2. のが楽し
          使う    い
   こと                                
          所有し
         3.  ていたい
                                     
                                     

   図 2.UD マトリックス

								
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