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第 04 回 差分を Excel で表現する
目標:①変化を表す指標(増分、成長率、変化率、弾力性)の計算方法を理解する、②平均増分と平均
成長率の計算方法を理解する、③差分方程式を理解する、④フェーズ・ダイアグラムを理解する
ステップ 内容 備考
準備 差分を Excel で表現する 配布資料による説明
01 増分と成長率 増分と成長率の計算方法(現実のデータではなく、組
み込み関数を使う)
02 変化率と弾力性 変化率と弾力性の計算方法
03 平均増分・平均成長率 平均増分、平均成長率を計算する
04 平均増分、平均成長率を使っ 平均増分、平均成長率の意味
た補間
05 差分方程式(1) 変化率=定数。フェーズ・ダイアグラムも。
06 差分方程式(2) 変化率=定数×水準
07 差分方程式(3) 変化率=定数―水準
まとめと課 いろいろな関数 Excel に学籍番号と氏名を入れる。ファイルを保存する。
題 ファイルをメールで添付する。
準備段階 差分を Excel で表現する
タイトル まとめ キーワード
増分、成長率、変 ・ ある変数の増分:「変化前の値―変化後の値」。単位 増分、成長率、変化
化率、弾力性 系の影響あり。 率、弾力性、国勢調
・ ある変数の成長率:「増分/変化前の値」。単位系の 査、前年同月比、価
影響なし。 格に対する需要の
・ ある変数の別の変数に対する変化率:「ある変数の増 弾力性、規模に対
分/別の変数の増分」。単位系の影響あり。 する費用の弾力性
・ ある変数の別の変数に対する弾力性:「ある変数の成
長率/別の変数の成長率」。単位系の影響なし。
平均増分、平均 ・ 平均増分:「(変化後の数値―変化前の数値)/年 平均増分、等差数
成長率 数」。等差数列の考え方から導出する。算術平均。 列、算術平均、平均
・ 平均成長率:「((変化後の数値/変化前の数値)^(1/ 成長率、等比数列、
年数)―1)×100」。等比数列の考え方から導出する。 幾何平均
幾何平均。
差分方程式 ・ 差分方程式は関数の値の変化率を関数の現在の値 差分方程式、加速
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によって決定する方程式である。 度、利子
・ 変化率=定数の場合、一次関数となる。
・ 変化率=定数×水準の場合、指数関数となる。
・ 変化率=定数―水準の場合、指数関数の上下をひっ
くりかえしたものになる。
フェーズ・ダイアグ ・ フェーズ・ダイアグラム(レベル―レート図)とは、関数 フェーズ・ダイアグラ
ラム の値(水準、レベル)を横軸にとり、変化率(レート)を ム、レベル、レート、
縦軸にしてデータをプロットしたもの。 法則性
・ フェーズ・ダイアグラムは差分方程式をそのままグラフ
化したものである。
・ 現実のデータから法則性を導き出す場合にフェーズ・
ダイアグラムが使われる。
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ステップ 01 増分と成長率(指数関数を例に)
① 指数関数を作成する。操作解説を参照。
② セル D6 に「C 列増分」、E6 に「C 列成長率」と
入力する。
③ セル D8 に「=C8-C7」と入力。D8 をコピーし、
D9..D106 まで貼り付け(D7 は空白でよい)
④ セル E8 に「=(C8-C7)/C7」と入力。E8 をコピ
ーし、E9..E106 まで貼り付け(E7 は空白でよ
い)
⑤ 完成
操作の解説
・ 指数関数の作成(前回のステップ 02)
① セル B2 に「初期値」、セル B3 に「間隔」と入力する。セル B4 に「底」と入力する。
② セル C2 に「-5」、セル C3 に「0.1」、セル C4 に「2」をいずれも半角数字で入力する。
③ セル B6 に「x」、C6 に「指数関数」と入力する。
④ 範囲 B7..B106 にセル C2、C3 の数値で等差数列を作成する。セル C7 に「= $C$4^B7」と入力する。
セル C7 をコピーし、範囲 C8..C106 に貼り付け
・ C 列の数列を基にして D 列にその増分「=C8-C7」を、E 列に成長率「=(C8-C7)/C7」を入力してい
る。
数学的な解説
・ C 列で作成したものは、2 を底とする指数関数である。
・ 指数関数の成長率は一定の定数となる。つまり、「成長率が一定の関数を指数関数と呼ぶ」
・ 増分が一定の場合は「一次関数」である。
・ 増分、成長率のいずれも一つの列から作成される。
意味
・ 経済成長率、人口成長率、収益の成長率など、成長率によって増加の急激さ度合いを数値で表現
することができる。
練習問題
・ 増分、成長率のグラフを作成してみよう。
・ 前回の様々な関数(ベキ関数、指数関数、対数関数、三角関数)について、同様の作業を行って、
増分と成長率を計算してみよう。それぞれの関数で何か特徴が見られるだろうか。
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ステップ 02 変化率と弾力性
① D 列を選択し、そこに2列分を挿入
② セル D6 に「B 列増分」、E6 に「B 列成長率」と
入力する。
③ セル H6 に「変化率」、I6 に「弾力性」と入力す
る。(F 列、G 列にはステップ 01 の作業結果が
残っている)
④ セル D8 に「=B8-B7」と入力。D8 をコピーし、
D9..D106 まで貼り付け
⑤ セル E8 に「=(B8-B7)/B7」と入力。E8 をコピー
し、E9..E106 まで貼り付け
⑥ セル H8 に「=F8/D8」と入力。H8 をコピーし、
H9..H106 まで貼り付け
⑦ セル I8 に「=G8/E8」と入力。I8 をコピーし、
I9..I106 まで貼り付け
⑧ 完成
操作の解説
・ ④と⑤の作業はステップ 01 と同じ(ただし、C 列ではなく、B 列の増分と成長率を計算している)
・ ⑥の作業は、二つの増分の比から変化率を計算している。
・ ⑦の作業は、二つの成長率の比から弾力性を計算している。
数学的な解説
・ 変化率、弾力性は2つの列から計算される。
・ 変化率は、実はもとの関数とほとんど変わらない。これは指数関数の重要な性質の一つである。次
回の微分に関する演習で改めて触れる。
意味
・ 変化率は微分を理解するための基礎となる。
・ 需要の価格弾力性、費用の規模弾力性など、弾力性指標は経済学的な分析によく用いられる。そ
の理由は、変化率が関数の部分的な特徴を表すのに対して、弾力性が関数の全体的な特徴を表
すのに便利だからである。
練習問題
・ 変化率、弾力性のグラフを作成してみよう。
・ ステップ 01 と同じように、前回の様々な関数(ベキ関数、指数関数、対数関数、三角関数)につい
て、同様の作業を行って、変化率と弾力性を計算してみよう。それぞれの関数で何か特徴が見られ
るだろうか。
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ステップ 03 平均増分、平均成長率の計算
① セル K6 に「x」、L6 に「指数関数」、M6 に「平
均増分」と入力する。N6 に「平均成長率」と入
力する。
② セ ル K7 に 「 =B7 」 を 入 力 。 セ ル K8 に
「 =K7+$C$3/10 」 と 入 力 し 、 K8 を コ ピ ー 、
K9..K17 に貼り付け。K17 が B8 に一致するこ
とを確認
③ セル L7 に「=$C$4^K7」を入力。L7 をコピー
し、L8..L17 に貼り付け。L17 が C8 に一致する
ことを確認
④ セ ル M7 に 「 =(C8-C7)/10 」 を 、 N7 に
「=(C8/C7)^(1/10)-1」を入力。
⑤ 完了
操作の解説
・ ②と③の作業は次のステップのための準備である。
・ ②では B 列を 10 期間に分けている。つまり、範囲 B7..B8 を K7..K17 に引き伸ばしている。数式
「=K7+$C$3/10」は間隔を 1/10 にしていることを意味する。
・ ③では K 列からそれに対応する指数関数の列を作成している。この指数関数は「正確」である。
・ ④において期間を 10 に分割した場合の平均増分(1/10)、平均成長率(10 乗根)を計算している。
数学的な解説
・ 平均増分や平均成長率の数学的な意味は次のステップで明らかになる。
意味
・ 時系列データにおいて、5 年おきの調査結果を用いて 1 年当たりの平均増分や平均成長率を計算
する。この場合は期間を 5 に分割する。
・ 1年おきの調査結果から 1 ヶ月あたりの平均増分や平均成長率を計算する場合には、期間を 12 に
分割すれば良い。
練習問題
・ 期間を 12 等分した場合について、同様の計算を行ってみよう。その計算があっているかどうかは、
次のステップでチェックすることができる。
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ステップ 04 平均増分・平均成長率を用いた補間
① セル O6 に「平均増分による補間」、セル P6 に
「平均成長率による補間」と入力する。
② セ ル O7 に 「 =C7 」 を 入 力 。 セ ル O8 に
「 =O7+$M$7 」 を 入 力 、 O8 を コ ピ ー し 、
O9..O17 に貼り付け
③ セ ル P7 に 「 =C7 」 を 入 力 。 セ ル P8 に
「=P7*$N$7」を入力、P8 をコピーし、P9..P17
に貼り付け
④ 完成
操作の解説
・ ②では初項を C7、公差を「平均増分」とする等差数列が作成されている(「=O7+$M$7」は漸化式)。
数列の最後の数値が C8、L17 に一致していることを確認する。
・ ③では初項を C7、公比を「平均成長率」とする等比数列が作成されている(「=P7*$N$7」は漸化
式)。数列の最後の数値が C8、L17 に一致していることを確認する。
数学的な解説
・ C7 と C8 の間を補間する際に、関数の形状を正確に知っている場合には、B7 と B8 の間を細かく分
けてから、その各点に対する関数値を計算すれば良い。これが前ステップで作成された L 列であ
る。
・ ところが実際のデータでは、B 列と C 列の間の関係はよく分かっていない。そのため、C 列の情報だ
けを使って補間する必要がある。
・ 最も簡単な方法は等差数列を用いて補間する方法である。そのための公差として使われるのが C
列の「平均増分」である。
・ もう一つの方法は等比数列を用いて補間する方法である。そのための公比として使われるのが「平
均成長率」である。
意味
・ もっと多くの情報が使える場合には、より洗練された方法が使える。「平滑化」、「スプライン曲線」な
どであるが、ここでは解説しない。
練習問題
・ L 列、O 列、P 列を縦軸、K 列を横軸とするグラフを作成し、3つの曲線を比較してみよう(曲線 L と P
は同じものになる)。
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ステップ 05 差分方程式(1) 変化率=定数
① 新しいワークシートを選択する。
② セル B2 に「初期値」、B3 に「間隔」、B4 に「加
速度」、B5 に「初速」と入力する。セル C2 に
「0」、C3 に「1」、C4 に「-0.2」、C5 に「12」を入
力する。
③ セル C7 に「速度」、D7 に「加速度」と入力す
る。
④ C2 と C3 で等差数列(以下の解説)
⑤ セ ル C8 に 「 =C5 」 を 入 力 、 セ ル C9 に
「 =C8+D8*$C$3 」 を 入 力 。 C9 を コ ピ ー し 、
C10..C108 に貼り付け。
⑥ セル D8 に「=$C$4」を入力、セル D8 をコピー
し、D9..D108 に貼り付け。
⑦ 範囲 B7..D108 を選択し、グラフを作成(1)。
範囲 C7..D108 を選択し、グラフを作成(2)
⑧ 完了
操作の解説
・ ④の作業:セル B8 に「=C2」を入力、セル B9 に「=B8+$C$3」を入力。B9 をコピーし、B10..B108 に
貼り付け。
・ グラフ(1)に関する注意:加速度線を選択し、右クリック、「データ系列の書式設定」で使用する軸を
第2軸に。グラフのタイトルなし。y軸名称を「速度」、y2 軸名称を「加速度」とする。y 軸目盛り線な
し。
・ グラフ(2)に関する注意:グラフのタイトル、凡例なし。y軸名称を「加速度」、x 軸名称を「速度」とす
る。y 軸目盛り線なし。
数学的な解説
・ D 列のセルが常に「=$C$4」となっていることは、変化率が常に一定であることを示す。
・ C 列「=C8+D8*$C$3」は D 列の変化率の情報から水準を計算している。
意味
・ 上に放り投げたボールの速度変化を示す。
練習問題
・ 工夫すれば、ボールの速度変化ばかりではなく位置変化も概算で計算することができる。やってみ
ましょう。
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ステップ 06 差分方程式(2) 変化率=定数×水準
① ステップ 05 のワークシートをコピーする(以
下の解説)。
② B4 に「利率」、B5 に「借入額」と入力する。
C4 に「0.04」、C5 に「12」を入力する。
③ セル C7 に「返済額」、D7 に「利子」と入力す
る。
④ セル D8 に「=$C$4*C8」を入力、セル D8 を
コピーし、D9..D108 に貼り付け。
⑤ グラフ(1)のプロパティを変更。グラフ(2)の
プロパティを変更(以下の解説を参照)
⑥ 完了
操作の解説
・ ①の作業:メニューから「編集」→「シートの移動またはコピー」を選択する。ダイアログが出現する。
一番下のチェックボックス「コピーを作成する」をチェックし、「OK」。すると、ワークシートの内容がそ
のままコピーされる。
・ グラフ(1):グラフを選択し、メニューから「グラフ」→「グラフのオプション」を選択する。ダイアログが
開くので、「タイトルとラベルで」y 数値軸の名称を「返済額」、y2 数値軸の名称を「利子」に変更。
・ グラフ(2):上と同じ。x 数値軸の名称を「返済額」、y 数値軸の名称を「利子」に変更。
数学的な解説
・ セル D8、「=$C$4*C8」が差分方程式の内容。D 列の変化率が C 列の水準の定数倍となっている。
・ グラフ(2)のフェーズ・ダイアグラムが、水平線ではなく、右上がりの直線になっていることに注意す
る。関数の形状そのものはグラフ(1)のように指数関数となっている。
意味
・ 利子も返済額も指数関数的に増大する。
・ 人口に関するマルサスの理論は、人口が指数関数的に増えるのに対して、食糧生産がベキ関数的
にしか増えないということから発想されたもの。
練習問題
・ 返済プランをこのワークシートに追加したらどうなるだろうか。いろいろな返済プラン(毎月一定額を
返済、出来る限り前倒しに返済など)を考えてみよう。
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ステップ 07 差分方程式(3) 変化率=定数―水準
① ステップ 05 のワークシートをコピーする(ステ
ップ 06 と同じ)。
② B4 に「注ぐテンポ」、B5 に「コップの高さ」と入
力する。C4 に「0.04」、C5 に「12」を入力する。
③ セル C7 に「水面の高さ」、D7 に「注ぐ水の量」
と入力する。
④ セル C8 に「0」を入力。
⑤ セル D8 に「=($C$5-C8)*$C$4」を入力、セル
D8 をコピーし、D9..D108 に貼り付け。
⑥ グラフ(1)のプロパティを変更。グラフ(2)のプ
ロパティを変更(以下の解説を参照)
① 完了
操作の解説
・ グラフ(1):グラフを選択し、メニューから「グラフ」→「グラフのオプション」を選択する。ダイアログが
開くので、「タイトルとラベルで」y 数値軸の名称を「水面の高さ」、y2 数値軸の名称を「注ぐ水の量」
に変更。
・ グラフ(2):上と同じ。x 数値軸の名称を「水面の高さ」、y 数値軸の名称を「注ぐ水の量」に変更。
数学的な解説
・ セル D8、「=($C$5-C8)*$C$4」が差分方程式の内容。D 列の変化率が定数から C 列の水準を差し
引いたものに比例している。
・ グラフ(2)のフェーズ・ダイアグラムが、水平線ではなく、右下がりの直線になっていることに注意す
る。直線と横軸との交点では変化率がゼロである。つまり、ひとたびこの状態になれば、それから更
に変化することはない。関数の形状そのものはグラフ(1)のように指数関数を上下さかさまにしたも
のである。
意味
・ なんらかの調整過程(経済、社会計画など)をこのような差分方程式で表現することが出来る。
練習問題
・ もしも最初の水面の高さがコップの高さよりも高かったとしたらどうなるだろうか。確かめてみよう。
・ もしも水を注ぐテンポがかなり速かったらどうなるだろうか。結果はおそらく、3通りになるだろう。(A)
今までと同じ、(B)コップの高さを中心にして振動を続けながら、やがて減衰、(C)振動しながら発
散。確かめてみよう。
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課題4
・ ステップ 07 までで作成したファイルの一番上に一行を更に挿入して、学籍番号、氏名を入力し
てください。
・ ファイルを保存してからメールに添付して私まで送ってください。
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