Mycobacterium bovis?Mycobacterium paratuberculosis???? ??? ?? by mnQS4mt

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                                               2012-Feb-16(Thu) 20:32




                                          細菌学各論I
                                              ~ まとめ ~



                                            文責:T.Hattori / 服部武裕
   ★ グラム陽性     球菌
■Staphylococcus の一般性状

・グラム陽性球菌
・普通寒天培地でよく増殖
・ブドウの房状集塊を形成。黄色ブドウ球菌の集落は黄色(他の菌種は白/レモン色)
・鞭毛(-) → 非運動性
・芽胞(-)
・通性嫌気性
・カタラーゼ(+)
・高濃度(3~10%)の NaCl 加培地でも増殖可能(耐塩性)
・ブドウ糖を発酵(OF 試験:F)



■Staphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌)と同属菌の性状の鑑別点

                        +:90%以上が+     -:90%以上が-       d:+90%以下/-90%以下
                 S.aureus   S.intermedius   S.epidermidis     S.hyicus
コアグラーゼ              +              +              -              d
マンニット分解             +              -              -              -
α-トキシン              +              d              -              -
Dnase               +              +              -              +
VP 試験               +              -              +              -
疾病              牛の乳房炎・      犬の外耳炎・            羊の膿瘍?         豚の滲出性/壊
               鶏のブドウ球菌症     膿皮症                              死性皮膚炎

               鶏のブドウ球菌症
                敗血症型
                内臓感染型
                皮膚感染型(浮腫性皮膚炎                バタリー病)
                骨髄感染型(骨髄炎                   ヘタリ病)



■ブドウ球菌(Staphylococcus)に関係のあるその他の項目

・プロテイン A
 S.aureus と一部の S.hyicas の細胞壁にある蛋白質。食菌作用を阻害する。
 いくつかの免疫グロブリンを介して特異抗原と結合するため,免疫学的診断として重要な試薬
となる。

・MRSA
 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌。βラクタム抗生物質に耐性となった黄色ブドウ球菌のこと。
 人の院内感染の主要原因菌。
■ブドウ球菌(Staphylococcus)の菌体外酵素と菌体外毒素

○菌体外酵素
・ コアグラーゼ:
? S.aureus、S.intermedius、S.hyicus(一部)が作る。
  [血漿を凝固する酵素] 血漿中の CRF(Coagulase Reaction Factor)に作用して、トロンビン
様物質に変え、フィブリノーゲン→フィブリンにする⇒血漿をゲル化する。
  定着性に関与(食菌作用及び食細胞内での消化分解の阻止[菌体周りをゲル化して宿主との自
己化をはかる]     、感染病巣の周りに繊維素の壁を作り菌を保護[化膿]。         )
・Clumping Factor:
  菌体細胞壁表面に存在するコアグラーゼで CRF の存在を必要としない。
  繊維素を析出してコアグラーゼと同様に付着因子として作用。
・ ヒアルロニターゼ:
  動物細胞間結合物質ヒアルロン酸を分解し、細菌の進入をしやすくする。
・ フィブリノリジン:
  コアグラーゼの作用とは逆で、生成されたフィブリンを分解する酵素。
  黄色ブドウ球菌による病巣の形成や拡大に関与。
・ プロテアーゼ:
  タンパク分化酵素
? 鶏の浮腫性皮膚炎に関与。S.aureus のみ産生する
・ Dnase(デオキシリボヌクレアーゼ)           :
   DNA に作用して、ヌクレオチド間のリン酸のジエステル結合を加水分解し、オリゴヌクレオ
   チドやモノヌクレオチドなどを生成する酵素(エンドヌクレアーゼ・エキソヌクレアーゼに大
   別される)   。

○菌体外毒素
・溶血毒:
 α(溶血)毒素:ウサギ(ヒツジ)赤血球に作用し細胞膜を破壊して溶血する。
                                        。
 多量にあるときは、組織の壊死・致死作用を示す(ウサギの致死、ヒトの皮膚壊死因子)
 ほかに、β、γ、δ、ε溶血毒がある
・白血球毒 Leucocidin:
 Mφや WBC を特異的に傷害。
 SとFの2成分からなる。
・ 腸管毒 Enterotoxin:
 ?S.aureus の半数が産生する。
 ヒト・サルの食中毒(下痢・嘔吐)の原因毒素。炭水化物や蛋白質の多い食品で菌が増殖した
ときにできる。
 耐熱性(100℃30 分)で、消化酵素の作用を受けない。
 抗原性により7種類(A1、B1、C1、C2、C3、D、E)に分類。
・表皮剥離毒素:
 人の皮膚の剥離の原因物質。細胞間物質のデスモソームを開裂
 S.aureus が産生。
 A型(プラスミド支配)       ・B型(染色体 DNA 支配)がある。
・毒素ショック症候群毒素(TSST)     :
 ヒトの発熱、ショックなどの原因。S.aureus が産生
  ★グラム陽性      球菌
■Streptococcus(連鎖球菌)の一般性状

○形態
・グラム陽性球菌
・連鎖状 or 双球状
・芽胞(-)
・一般に、莢膜(+)
・まれに、鞭毛(+)

○性状
・通性嫌気性菌
・血液/血清加培地で増殖する(栄養要求性が厳しい=普通寒天培地では発育しにくい)。
・6.5%NaCl 加培地で、発育しない
・カタラーゼ(-)・オキシダーゼ(-)
・ブドウ糖を発酵(OF 試験:F)
■Streptococcus(連鎖球菌)の分類

・溶血性と,Lancefield の多糖質性群抗原 が多用されてきた。
・近年,細胞壁組成・DNA 相同性・16S リボソーム RNA で分類。

○溶血性...血液寒天培地のコロニーで、周囲に特有の溶血環を作る。

    α溶血性連鎖球菌:不完全溶血を示し、コロニーの周囲に半透明で緑色(メトヘモグロ
ビン)を帯びる溶血環を持つ。
    β溶血性連鎖球菌:完全溶血を示し、コロニーの周囲に無色透明の溶血環を示す。
    γ溶血性連鎖球菌:溶血しない。

               ただし、使用する血液によっても、溶血性は異なる。
               ex. S.suis は、 ヒツジ血液加寒天培地 では、 α溶血。
                             ウマ 〃           β溶血。

○培養性状・生態・病原性から 4 つに分類

名前      化膿性連鎖球菌           緑色連鎖球菌              糞便連鎖球菌                    乳酸球菌
溶血性           β                α                    γ                      α
種類       S.agalactiae      St.mutans       Enterococcus faecalis   Lactococcus garviae
宿主            牛              牛・豚                    鶏                      魚
病名          乳房炎             心内膜炎               連鎖球菌症                   連鎖球菌症



○血清学的分類

・Lancefield の血清群:
  細胞壁に存在する C 多糖体の加熱抽出抗原に基づいた沈降反応で、連鎖球菌を分類。
  (I,J,R,S,T を除く)A~V群の 17 種に分けられる。
  熱塩酸処理(0.1M で 30 分)&熱ホルムアルデヒド処理&オートクレーブ処理(121℃,15 分) で
C 多糖体を抽出 ⇒ 兎に注射してできた血清と抗原とを毛細管で混ぜる[毛細管沈降反応]。



                    牛                  馬                    豚                 犬
    菌種          S.agalactiae   S.equi subsp. equi         S.suis            S.canis
  Lancefield       B                   C                    D                 G
   溶血性           β/非溶血                 β                   α,β                β
   疾病名         連鎖球菌性乳房炎          腺疫(鼻炎)             連鎖球菌症(髄膜炎, 犬の連鎖球菌症
                                                     関節炎,敗血症) (敗血症・流産)
■Streptococcus(連鎖球菌)の病原性

○菌体外酵素

・菌の細胞内侵入を助ける
・フィブリノリジン・ヒアルロニダーゼ・Dnase etc

○菌体内毒素

・ストレプトリジン O と同 S(溶血毒素)
    O は蛋白質で抗原性があり、容易に酸化・不活化するが、還元剤により再び活性を得る。
    S はリポ蛋白質で、抗原性はないが酸化されにくい。
・発赤毒(発熱毒素)     しょう紅熱を起こす(全身に湿疹)

○CAMP 因子

・β溶血毒素と反応して,より強い溶血性を示す。
・S.agalactiae が産生する
                                                CAMP テストの図
・CAMP テスト
     S.agalactiae と他の連鎖球菌との鑑別に用いる。
     材料: 羊脱繊維素血液加寒天培地
             ブドウ球菌(β溶血毒を産生するもの)
             披験菌
     方法: 1. ブドウ球菌を血液寒天培地に画線培養。
             2. 披験菌を血液寒天培地に画線培養
             3. 培養
     判定: S.agalactiae の産生する CAMP 因子とβ溶血毒との相乗作用によって、
             溶血性が増幅される。

○M 蛋白

・菌体表層に存在する蛋白抗原で、S.pyogenes・S.equi・S.porcinus に存在する。
・抗原性を示し、好中球の食菌作用を阻止する。
   ★グラム陽性芽胞形成桿菌(バシラス属・クロストリジウム)
■炭疽菌(Bacillus anthracis)の一般性状

○形態
・グラム陽性の大型桿菌
・竹櫛状(生体内で)?、長連鎖状
・炭疽菌は鞭毛(-)(一般にバシラス属は周毛性鞭毛を形成する)
・生体内で莢膜(+)
・芽胞(+)(耐熱性)
     楕円形/卵円形で中立位/遍在性であるが、動物体内では形成せず、空気に触れると形成。
     芽胞型として,土壌中に生存し、長期に渡り感染性を保持。
     高温多湿な条件で形成され、熱・乾燥・消毒に強い抵抗性。


○性状
・好気性 or 通性嫌気性
・普通寒天培地での好気性培養でよく発育
    普通寒天培地で、長連鎖状。
           (35~37℃,16~24hr 培養で、灰白色の縮毛状(Rough 型)コロニー形成)
    液体培地では、   (培地全体を混濁させずに)線毛状に沈殿して発育。
・カタラーゼ(+)
・溶血能(-)



■ 炭疽菌の病原因子とプラスミドの関係について

○病原因子(アンダーラインが病原性)

・60MDa プラスミド支配 →    非天然型 D-グルタミン酸ポリペプチド性莢膜の形成
・110MDa プラスミド支配 →   外毒素(浮腫因子・防御抗原・致死因子)の産生
                    温度感受性プラスミドで、42~43℃で脱落=弱毒化
                        浮腫因子(EF)
                        防御抗原(PA)
                        致死因子(LF)
 EF 及び LF は、単独では病原性がないが、それぞれに PA が加わると強い活性を示す。
 PA は細胞内に EF・LF が入るためのレセプターの役割をする。

○抗原性
    莢膜の D-グルタミン酸ポリペプチド・菌体の多糖体・感染防御抗原
■ 炭疽菌(Bacillus anthracis)の細菌学的・血清学的同定法

○1.莢膜染色
・血液・脾臓の塗抹標本を莢膜を Rabiger 法やメチレンブルー法で染色し鏡検。
・生体内で莢膜形成。

○2.アスコリーの熱沈降反応
・診断用炭疽沈降素血清を用いて耐熱性特異抗原(莢膜抗原:グルタミン酸ポリペプチド)を検
出する。
・沈降反応重層法を用いる⇒室温で 15min 以内に血清と抗原液との間に白濁した沈降線(抗原抗
体複合体)ができる=陽性。
     ・炭疽汚染材料(血液・脾臓)を 5~10 倍の乳剤とし、10~20min 煮沸⇒冷却
     ・抽出した濾液を抗原(耐熱性特異抗原:莢膜抗原)とする
      +同量の炭疽沈降索血清を同じ試験管に入れる⇒静置
     ・15min 以内に両液の接触面に沈降線ができたら陽性。

○3.分離培養
・普通寒天培地の好気性培養――――――――――→莢膜形成なし
・10~20%血清加寒天培地上で 10%CO2 下培養 ―→莢膜形成

○4.パールテスト
・ペニシリン 0.5~0.05 IU/ml 含有普通寒天培地で、37℃3~4hrs 培養⇒桿状菌体が真珠状膨張
=陽性。
・ペニシリンの細胞壁合成阻害を利用。

○5.ファージテスト
・普通寒天培地に菌を塗抹し、その中心部にγファージ液を滴下⇒普通寒天培地で 37℃8~18hrs
培養⇒溶菌斑を形成(滴下したところで炭疽菌が発育しない)=陽性。
・炭疽菌が、 (B.anthracis に特異的に感染する)γファージの感染により溶菌する事を利用。

○6.動物接種
・マウスに皮下注射      ⇒ 24hrs 以内に敗血症死。
 モルに           ⇒ 36hrs 以内。



■炭疽菌生ワクチン

・昔は、パスツールワクチン(生ワクチン)が使われていた。
・現在は、Sterne の 34F2 株(無莢膜弱毒変異株)の芽胞ワクチン(生ワクチン)が使われてい
る(PA 産生性が安定している)    。

 弱毒株を 50%血清加寒天培地 30%CO2 で、37℃1週間 培養
⇒   60MDa プラスミドが脱落し、莢膜形成能はなくなる。
    110MDa プラスミド支配は保持され、免疫原性は保たれる。&外毒素は残っているので
病原性もある。
    ★Clostridium
■ Clostridium の特徴、培養法、3つの菌種とその病原性

○特徴
・グラム陽性大型桿菌。ただし、24 時間培養菌=G(-)
・偏性嫌気性(C.histolyticum と C.perfringens は、O2 耐性)
・一般に栄養型は周毛性鞭毛(+)。C.perfringens(-)
・莢膜(-)(生体内・血清加寒天培地で C.perfringens:+)
・芽胞(+)(卵円形~球状・偏在性/端在性)→芽胞形成部は、膨大して胞子嚢を形成
・オキシダーゼ(-)
・H2S 産生(+)

○培養法
・ GAM 寒天培地で
  ガスパック法(酸素除菌法)
  ローラ-チューブ法…混合ガス(N2 85%、H2 10%、CO25%)などで置換。
・チオグリコール酸塩培地(還元剤が添加してあり、酸化還元電位を調節してある)

○菌種と病原性

C.tetani            ヒト/動物の破傷風                 強直性けいれん
C.perfringens       悪性水腫                      筋組織の浮腫、壊死
C.botulinum         食中毒                       弛緩性麻痺



■急性敗血症死した動物血液/組織中に存在する、以下の菌の形態上の鑑別点

      菌名            炭疽菌             ウェルシュ菌          悪性水腫菌                 気腫疽菌
                Bacillus        Clostridium   Clostridium Clostridium Clostridium
                anthracis       perfringens    septicum      novyi    chauvoei
      連鎖        1~数個            1~2個                    長連鎖           1~2個
      鞭毛        -               -                        +            +
      莢膜        +               +                        -            -
      芽胞        +               +                        +            +


limberneck(首たれ)
・レシチナーゼ中和試験:
・C.perfringens の同定反応。
                加   水   分   解
・レシチン==[ホスホリパーゼC]==⇒ホスホコリン+グリセリド==⇒不溶性のため沈殿==⇒乳白色

・中央にウェルシュ菌抗毒素血清ろ紙を埋め込んである卵黄加 CW 基礎寒天培地+ろ紙と直角に
披検菌を画線培養====⇒ろ紙上の乳光反応阻止=陽性
■Clostridium 属の毒素産生性/組織侵襲性による3分類とその活性機序

┌ 毒素産生性 ─┬ 組織非浸襲性 ── 神経毒 ───── 破傷風菌・ボツリヌス菌
┤        └ 組織浸襲性 ─── ガス壊疽菌群 ── 気腫疽菌・悪性水腫菌
└ 腸管毒血症(エンテロトキセミア)───────── ウェルシュ菌

    C.tetani   C.botulinum   C.chauvoei C.septicum ?C.novyi      C.perfringens
毒素産生性・組織非侵襲性                 毒素産生性・組織侵襲性                      腸内毒血症・食中毒
 馬牛ヤギ豚犬 ミンク鳥人                  Ru      牛羊馬豚                         牛羊
    破傷風        ボツリヌス中毒         気腫疽            悪性水腫              エンテロトキセミア
毒素は菌体内にプロトキシン 毒素は菌体内で産生されると同時に活 食品内で増殖された菌⇒経口
として形成され、菌体の融解 性型として菌体外に放出される。   ⇒腸内で芽胞を形成
後、毒素活性を現す。    組織に入り込んで病巣を作る。    &エンテロトキシン放出
組織には入り込まない。   ガス壊疸菌群            ⇒小腸下部の粘膜上皮に結合
毒素のみで発症。                        して膜障害。



■Clostridium tetani と Clostridium botulinum との違い

         Clostridium tetani                 Clostridium botulinum
毒    破傷風毒素                                ボツリヌス毒素(A~G の 7 型)
     (破傷風けいれん毒 tetanospasmin)
作    45MDa のプラスミド支配による痙攣。                 毒素を腸管で吸収
用    毒は末梢神経から脊椎前角/延髄の神経細                  ↓
機    胞のガングリオシドに結合                         血流
序    ↓                                    ↓
     一部、細胞内に入る                            神経-筋接合部に作用
     ↓                                    ↓
     Ach の分泌増加⇒                           コリン作動性シナプスからの Ach 遊離を抑制⇒
症 強直性痙攣                                   視神経麻痺・筋肉麻痺などの弛緩性麻痺
状                                         ⇒呼吸,嚥下,発声困難⇒致死
他 毒素1mg で1千万匹のマウスを致死                      毒素1mg で1億匹のマウスを致死
  予防にトキソイド、治療に抗毒素血清                       細菌毒素の中で最強。
  溶血毒 tetanolysin も産生する。                  バクテリオファージ or プラスミド支配下で産生
  鳥類は強く抵抗。                                人・ミンク・鳥類に感受性強い


・トキソイド
 毒性は低くなっているが、抗原性のある外毒素。破傷風の予防に用いられる。

・抗毒素血清
 破傷風の治療に用いられ、免疫血清を投与する。
 効果は短期間しか持続しないが、即効性がある。
    ★グラム陽性無芽胞桿菌
■Erysiperothrix rhusiopathiae と Listeria monocytogenes との違い

             Listeria monocytogenes             Erysiperlothrix rhusiopathiae
性状       G(+)、短桿菌、通性嫌気性                     G(+)、細小桿菌、通性嫌気性
         芽胞・莢膜(-)                           芽胞・莢膜(-)
         鞭毛:4本の周毛性鞭毛。20~25℃                 莢膜様構造物 (豚丹毒のみ)=病原性有
         培養で発育良好。37℃で発育悪い                   鞭毛(-)
普通寒天培地 小露的状集落                               発育悪い。小露的状集落
1.5%ゼラチン 穿刺線に沿って繊維状発育                       穿刺線に沿って試験管ブラシ状発育
0.75%半流動 雨傘状発育
溶血       β溶血(L.ivanovii も)=病原性の菌                              α溶血
運動性                     +                                      ―
4~5℃発育                  +                                      ―
カタラーゼ                   +                                      ―
VP テスト                  +                                      ―
H2S 産生                  ―                                      +
ブドウ糖発酵                   F                           F
GC 含量              36~38 モル%                       36~40
主要感染症               リステリア症                  豚丹毒・鳥羊の豚丹毒菌感染症・類丹毒
病原性      (Ru→化膿性肺炎・流産)                      豚→豚丹毒
         豚・ウマ→敗血症・早流産・膿瘍                         A型菌→急性敗血症
         羊・山羊→旋回病・リステリア脳                         B型菌→蕁麻疹・関節炎
         炎・早流産                                     ・心内膜炎・リンパ節炎
         鳥類→敗血症                             ヒツジ→蹄葉炎・関節炎
         ヒト→敗血症・髄膜炎・流産                      鳥類→敗血症
                                            ヒト→類丹毒(敗血症・心内膜炎)
感染防御           弱毒性菌(細胞性免疫)                  血清抗体(液性免疫)
免疫原性           生ワクチン有効                      生ワクチン(アクリフラビン耐性弱毒生
                                            菌ワクチン)・不活化ワクチン有効
                                            血清あり
その他                                         ペニシリンの感受性が高い。
                                            普通寒天培地に血液・ブドウ糖・Tween80
                                            を添加すると発育が良くなる

○Listeria monocytogenes の性質(上記のほかに)


                   溶血 CAMP-S CAMP-R ラムノース産生 キシロース産生                 宿主     病名
L.monocytogenes     +     +       (+)       +             -         Ru     脳炎
L.ivanovii         +++     -      +         -             +         牛羊     流産
             溶血性:馬赤血球。CAMP-S:Sta.aureus。CAMP-R:Rhodococcus equi との相乗的な溶血作用。
・単球増多症
 リステリアを家兎の耳静脈内に接種すると数日内に単球が増える。人 Ru では必発ではない。
 L.monocytogenes の命名の由来となった現象。

・通性細胞内寄生性
 L.monocytogenes・結核菌・サルモネラ・ブルセラ etc マクロファージ内で殺菌されずに増殖で
きる菌。
 感染防御には細胞性免疫によるマクロファージの活性化が必要。

・listeriolysin 溶血毒
 L.monocytogenes の通性細胞内寄生性に関与する溶血素。
 血液寒天培地で溶血毒素産生株を培養するとβ溶血を示す。
 MW:58,000 の蛋白質で、溶連菌のストレプトリジン O と抗原性が一部交差する。
 ?食細胞の内膜を溶解して脱出

・試験管ブラシ状発育
 豚丹毒菌を、ゼラチン培地で培養したとき、穿刺線に沿って見られる(コロニーの)発育状態。
 豚丹毒菌の同定に用いられる。

・生菌発育凝集反応
 生菌を抗原とし、液体培地を希釈液として用い、豚丹毒菌の凝集抗体を測定する。

・erysipeloid(類丹毒)
 人が、創傷感染で豚丹毒菌に感染することによって起きる、紅斑を呈する皮膚病変。
 家畜や魚介類と接触する機会の多い職業の人に多く見られる。

・アクリフラビン耐性弱毒株
 豚丹毒菌をアクリフラビン加寒天培地で継代させ、アクリフラビンの耐性獲得に伴い病原性が
減弱した生菌ワクチン。
 豚丹毒の予防に用いられる。
  ★放線菌関連菌
■Corynebacterium の特徴、牛の尿路感染症を起こす菌3つと、その鑑別点

○特徴
・グラム陽性桿菌(分岐状/松葉状に配列し、多形性を示す)
・通性嫌気性
・芽胞・鞭毛・莢膜(-)
・非抗酸性
・異染小体を持つ(メチレンブルー単染色で観察。菌体の両端が丸く染色される)              。
                              ・OF テスト(F)・VP テスト(-)
・カタラーゼ(+)・オキシダーゼ(-)(C.bovis は+)

○牛の尿路感染を起こす菌

・血液加寒天培地で培養(普通寒天培地でも OK)

                       C.renale   C.cystitidis      C.pilosum
           硝酸塩還元          ―           ―                 +
          カゼイン分解          +           ―                 ―
           キシロース          ―           +                 ―
           CAMP 反応        +           ―                 ―
           ?寄生部位     外陰部・膣前庭        包皮腔          renale+cystitidis
          ?腎盂腎炎以外         -       牛の膀胱炎            出血性膀胱炎

・外陰部⇒尿道⇒膀胱に進入⇒膀胱炎を起こす。さらに尿管⇒腎臓に進入⇒腎盂腎炎を起こす。
・病原性は、  線毛(膀胱上皮細胞に付着)
                                          。
        ウレアーゼ(腎臓・尿中で増殖し、アンモニアを産生し泌尿器障害を起こす)

○仮性結核

・宿主:羊・山羊
・原因菌:C.pseudotuberculosis(細胞内寄生性)
・症状:創傷感染・経口⇒付近のリンパ節に化膿巣⇒肺・肝臓に病巣⇒病巣の緑色を帯びた膿汁
の水分が吸収され淡黄色の乾酪性膿瘍となる。
・病原性:外毒素・細胞壁の脂質
・分離培養:血液寒天培地で培養(弱い溶血環を作る。Rhodococcus equi によって増強)
・培養上清にはヘモリジンが産生され、マウスに対して致死活性を示す。
・診断:ELISA

・宿主:マウス・ラット(ハムスターは不顕性感染)
・原因菌:C.kutscheri
・症状:肝臓・腎臓・消化管などに多数の小膿瘍。
■Mycobacterium bovis と Mycobacterium paratuberculosis の培養法・病原性・免疫反応

           Mycobacterium bovis         Mycobacterium paratuberculosis
       Tween80 加小川培地                 マイコバクチン加ハロルド培地
  培地
培      ハロルド培地
養 温度   30~37℃                        37℃
法 O2   好気性                           好気性
  期間   2week                         1~2ヶ月以上
  宿主   特に牛                           牛・羊・山羊
病 病名   結核病(法定家畜伝染病)                  ヨーネ病
原      リンパ節や実質臓器の結核結節                腸粘膜肥厚による脳状皺を形成
  病変
性      (肺・肺付属リンパ節・腸間膜リンパ節)           (極めて長い潜伏期間を経て発症する)
  症状   肺結核                           慢性下痢
       ツベルクリン反応                      ヨーニン反応・補体結合反応・ELISA
       ツベルクリン 0.1ml を皮内接種⇒72hrs      ヨーニン反応
免      ⇒                             ヨーニン 0.1ml を皮内接種⇒72hrs⇒
疫      +:腫脹差5mm 以上・硬化を伴う             +:腫脹差2mm 以上
反      -:腫脹差3mm 以下・硬化を伴わない           (ただし結核牛も(+)となる⇒症状で区別)
応      BCG                           CFT
                                     多糖体を検出し、補体結合反応を見る。
                                     発症しているものに有効

・抗酸菌
 石炭酸フクシンのような塩基性アニリン色素で加温染色したあと、酸性アルコール(3%HCl ア
ルコール)処理しても容易に脱色されない性質(抗酸性)をもつ細菌の総称。

・ミコール酸
 抗酸菌は他菌より多量(全体の 40%)の脂質を含み、そのうち蝋成分が最も多いが、その中に
ミコール酸という特殊な脂質が含有している。
 抗酸性に関与する。(脱色に抵抗)

・小川培地
 結核菌の分離用培地。
 M.tuberculosis の場合、グルタミン酸・グリセリン・マラカイトグリーン・全卵液からなる小川培
地を用いる。M.bovis はグリセリンによって発育が阻害されるので、培養するときはグリセリン
の代わりに Tween80 を加える。

・ツベルクリン反応
 M.tuberculosis・M.bovis の液体培地の培養濾液の濃縮液。多量の蛋白質が含まれている。
 結核診断に使用される。

・BCG
 M.bovis の弱毒変異株(を胆汁・ジャガイモ・グリセリンの入った培地で培養してできた乾燥生
菌から作られる)   。
 ヒトの結核予防に使用。
・マイコバクチン加ハロルド培地
 Mycobacterium avium subsp.paratuberculosis(ヨーネ病菌)の分離培地。
 ヨーネ病菌は、鉄取り込み能を持っていないため、一般の結核用培地では発育できない。
 M.phlei の死体 or そのアルコール抽出物(マイコバクチン)を培地へ添加。鉄キレート剤の役
割を果たす。
 マイコバクチン・ペプトン・牛肉エキス・グリセロール・卵黄・マラカイトグリーンを含み、発
育は 1~2 ヶ月と遅い。

・ヨーニン反応
 ヨーネ病の診断に用いられる。
? ヨーネ菌の培養濾液の濃縮液。
 ヨーニン 0.1ml を皮内接種⇒72hrs⇒腫脹差2mm 以上=陽性



■牛の放線菌(Actinomyces bovis)の原因菌と診断

○形態・性状

・G(+) 桿菌。多形性(ジフテロイド様/分岐を持つ/フィラメント状を呈する etc)を示す。
・通性嫌気性だが、嫌気性で発育良好
・芽胞・鞭毛・莢膜(-)
・抗酸性(-)
・カタラーゼ・オキシターゼ(-)
・OF 試験(F)

○病原性

・宿主:牛
・病名:放線菌症
・症状:下顎骨に腫瘍
・病変:原因菌が口腔 etc の創傷部位から進入⇒下顎骨に肉芽腫(化膿性増殖性炎)を形成。
    肉芽組織中に硫黄顆粒(光顕下、中心部に菌糸・周りに棍棒体が並んだ菊花弁状物)

○診断法

・分離培養:血液寒天培地にて嫌気性(10%CO2 )で 37℃ 3~5day 培養⇒白色微細コロニー
(V/Y 字型・長糸型菌体)の検出
・化膿性増殖性炎
・膿汁に硫黄顆粒      膿汁一滴と 10%水酸化ナトリウムを混合し、圧迫標本として菌塊とロゼットを検出。
               膿汁中の顆粒を塗抹・グラム染色により膿汁を検出
?・同定:ロールチューブ法(絶対嫌気培養)による分離培養を行い、グラム染色して検鏡で上
図のようなドリューゼを検出。
■Erysiperothrix 属と Listeria monocytogenes と Actinomyces pyogenes の鑑別性状

      菌名            Erysiperothrix         Listeria     Actinomyces pyogenes
                     rhusiopathiae      monocytogenes
     形態                 細小桿菌                短桿菌               小桿菌
  5℃での発育                   -                  +                  -
    運動性                    -                  +                  -
    溶血性                    α                  β                 β
  カタラーゼ                    -                  +                  -
   H2S 産生                  +                   -                 -
   VP 試験                   -                  +                  -
 サリシン分解                    -                  +                  -
エスクリン加水分解                  -                  +                  -
    疾病名                  豚丹毒                旋回病          A.pyogenes 感染症
                                                            (豚膿瘍)



・equi 因子
 Rhodococcus equi が産生するホスホリパーゼ(レシチナーゼ)         。菌体外酵素。
 ブドウ球菌・C.pseudotuberculosis・L.monocytogenes に対して相乗溶血活性を示す。
 Rhodococcus equi の簡易同定に利用。

								
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